こんばんは、夜中たわしです。
リアル捜査ゲームブックの後編が発売されたのでレビュー行きます。
概要
本書はとある探偵社の新人となって、事件を捜査していくゲームブック……の後編。実際に歌舞伎町で行われていたイベントの書籍化にあたります。
どういう書籍かは前編のレビューで書いてるので、そちらをご参照ください。前編も後編も大体仕組みは同じです。
前編同様、LINEやネットを利用して物語を進めるシステムが秀逸で遊びごたえがありました。書籍のためどうしてもイベントと比べると見劣りするものの(むしろイベントが凄すぎる)、家で遊んでも楽しめる工夫は随所に感じられます。
急いで作ったのか、前編以上に粗のようなものが散見されましたが、全体的な満足度は後編の方が高かったです。詳細は後述します。
個別感想
ここからは簡単に、事件別の感想です。
ストーリーの核心について記載はしませんが、展開について多少のネタバレはあります。気になる方はご注意を。
CASE4 心霊マンション死体消失事件
タイトル通り、心霊系の推理もの。捜査は主に発明品(常軌を逸した性能のものだらけ)で行う。発明品によるぶっ飛んだ捜査はなかなか見もので、楽しい。
序盤、世にも奇妙な物語みたいな話か? と思ったが、そこまで奇妙じゃなかった。発明品を除けば非現実的なことは起こらない。そんなには。
いくつか怪談を聞くことになる。「さまよう霊」が一番好き。意表を突かれた。
CASE5 整形アイドル恐喝事件
この章の相棒は「金庫破り探偵」。まずは泥棒の依頼を受ける(いいのか?)ことから大きな事件に巻き込まれる。
本格推理風のストーリーで、前編も含めて一番面白かった。あっと驚く展開もあり、クライマックスでは犯人の名前入力に加え、さらに根拠の入力までさせられる。こう、自由入力のテキストで犯人を指摘するやつってたまらなく好き。
契約者にプレイヤーの名前を書く流れがあるが、書かれた名前が「新人探偵」。明らかに偽名だがいいのか。
書籍に「店の奥に座った常連客」とあったが、動画内の常連客はめちゃ手前に座っていた。
よろず屋の人、動画だとどう見ても女性なのに書籍に戻るとセリフはオッサン。前編でも同様のケースがあったけど、書籍と動画は並行して作成したのかな? それも修正が間に合わない段階で??
イベントでは盛り上がりポイントと思われるシーン、動画見てたらプレイヤーの分身(手しか見えない)が勝手に解決した。まあ物理的な鍵開けを書籍で体験できるわけないから仕方ないか……。
これまでの物語の中に答えはある! 推理してみろ!! という感じの、いわゆる「読者への挑戦状」が書かれたページがある。いいものだ。
上記の「読者への挑戦状」、ページの挿入位置がおかしい気がする。挑戦状の前のページにとある謎があり「指示があるまで(≒謎が解けるまで)次のページに進まないこと」と書かれているが、どう考えてもこれが挑戦状が指している謎。つまり、謎を解いた後でないと挑戦状が読めなくなっている。なんで????? なにか勘違いしてるのかなあ。でも挑戦状のページ以降に謎はなくて、読むだけでエンディング一直線なんだよなあ……。
ストーリーや構成がいいだけに、上述したような細かな粗が気になった。
CASE6 恋するレバー教団・連続失踪事件
怪しげな教団の暗躍を、主にハッキングで解決する話。
謎解きの都合上か、対象製品の型番がわかればハッキングを仕掛けられるという、恐るべき技術が登場。ハッキングはマニュアルをもとに簡単な謎解きをするだけで完了する。
ハッキングの1問目、マニュアル無しで解けちゃった(マニュアルの意味がぱっと理解できなかった)。
「絶対に目をつぶろう」というシーンがあるが、絶対に目をつぶったほうがいい。イベントに参加してるつもりで遊ぼう。
付録にバングルがあるが、存在が謎。書籍で必要か……?
ストーリー上、CASE5と少しだけ絡みがある。珍しい。時系列的にCASE6の方が先なのか?
肝臓が登場する。
一番の目玉イベントが、書籍化に伴い緊張感のないものと化した……と思ったが、別の意味でゾッとさせられた。
おわりに
前編より楽しめたので、買って正解でした。
しかし構成上気になる点が多く(特にCASE5)、頻繁に気が散ってしまう点は残念。素材は良いので、これは改善して欲しいなあ……。
そういや今後を匂わす伏線が多く、続編を期待させる部分がありました。もしかすると本書の売上次第で続編のイベントを開催したりする、のか??
であれば今度こそ参加したいけど、現状は息子(1)と娘(0)がいるんで……次回も書籍版で、いいです。
前後編を両方買えば、全員プレゼントのキャンペーンをやっているので、興味を持ったなら早めにどうぞ。
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