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思考実験「水槽の脳」と最悪の初夢

こんばんは。夜中たわしです。

今回紹介します思考実験は「水槽の脳」についてです。

水槽の脳とは

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(出典:水槽の脳 - Wikipedia)


Wikipediaのこの図が最高にわかりやすいです。

「水槽の脳」は、実際の私達の脳は水槽に浮いており、電極につながれているのでは? という思考実験です。

要は今体験しているこの「現実」はバーチャルリアリティの可能性がある、という考えです。

映画「マトリックス」の元ネタとしても有名です。(マトリックスは脳だけじゃなくて人間丸ごとですが)

この「水槽の脳」ですがその性質上、否定することが原理的にできません。恐ろしいものです。

かなりメジャーな思考実験なので、聞き飽きたと言う人もいることでしょう。

それでも私は一度はこの「水槽の脳」について記事を書きたいと去年の年末から考えて続けていました。

それがよくなかったのかもしれません。

1回目

こんなことがありました。

先日、私は寝室で目を覚ましました。猛烈にトイレに行きたくなったためです。

起き上がろうとしますが、体が思うように動きません。

「昨日飲みすぎたからかな?」

かなりの労力が必要でしたが何とかして起き上がります。私もさすがに大人。漏らすのは年2回程度に留めなければなりません。

そして寝室を出ますが、電気のスイッチが見つかりません。仕方ないので薄暗い中を歩いていきますが、ここで部屋が異様な雰囲気であることに気づきました。廊下が迷路のように入り組んでいるのです。

これではトイレを見つけられません。

迷いつつも長い通路に出た時、向こうの方に誰かが立ってるのが見えました。

その誰かはこちらに向かってきています。

「なんで我が家に板尾創路がいるんだ」



(※板尾創路さんはこの方です)


私は身の危険を感じました。

まさにその時、今の状況が夢であることに気づきました。

夢を夢だと自覚する、このような状況を明晰夢と言います。

私は過去に何度も明晰夢を体験しているため、慣れたものです。

夢だと気づいた時に取れる行動は2種類。目覚めるか、夢をコントロールするかです。

夢をコントロールすると空を飛べたりして非常に気持ちいいんですが、そのためには飛べると100%信じ込む必要があり、成功率はあまり高くありません。

そんなことをやっている間に、板尾創路に私は何をされるか分かったものじゃありません。

私は夢の中で崖から落ちたり、殴られたり、包丁で刺されたりすることは何度も経験していますが、やはり気持ちのいいものではありません。

なので、1秒でも早く目覚めることを選びました。

起きようと念じながら体に力を込めると、簡単に起きることができるのです。

2回目

無事に私は目覚めました。生きてるって素晴らしい!

しかし目覚めても体は重く、体が自由に動きません。やはりお酒を飲みすぎたようです。

なんとか起き上がると、カーテンが開いていることに気づきます。そして窓の外から通行人が何人か部屋の中を覗いています。

失礼な奴らがいたもんだ。

そう思って寝室を出ますが、何か変です。

ここは2階だぞ? あいつらはベランダに上がり込んでるのか……?

恐怖を感じながら廊下に目をやると、彼と目が合いました。

そう、板尾創路です。

その瞬間、気づきました。

まさか! 「夢から目覚めたと思ったらまだ夢だった」のパターンか!?

私は「目覚めてもまだ夢」を過去に2回ほど体験しています。

なので慣れたものです。

板尾創路がこちらに向かってきます。

私は起きよう、起きようと考えながら体に力を込めました。

3回目

私はついに目覚めました。

「大変な夢だった……」

しかし夢って、「私(自分の脳)」が「別の私(これも自分の脳)」に幻覚を見せられてるってこと? こんな迷惑な夢を見せやがって! 何考えてんだ! 自分の脳!!

そう考えて起き上がろうとしますが、体が重く言うことを聞きません。

やっとのことで起き上がると、足元に違和感があります。

「雑草……?」

足元に雑草が落ちていました。

いや、よく見ると、寝室の半分ほどが雑草で覆われています。

「そろそろ掃除するべきかもしれんね」

そう思って寝室を出ると板尾創路がいました。

その瞬間気づきます。

え? まだ夢なの……?

いい加減早く気付けと思われるかもしれませんが、夢から覚めた直後はこれっぽっちもそれが夢だと疑っていないものなのです。

夢と気づかせてくれるのは板尾創路だけです。

私は力を込めました。

4回目

私は本当に目覚めました。そう信じていました。

「ちょっと3連続は多かったな。怖い。怖い」

そして起き上がろうとすると板尾創路がすぐ目の前にいました。

私は思わず叫んでいました。

未だかつてない恐怖、そして絶望感が私を襲います。

もう永遠に目覚められないのかもしれない。

私は「インセプション」という映画を思い出していました。この映画では他人の夢の中に侵入するというシステムが登場します。しかも夢の中でさらに夢の中に入り込むこともできるという、夢が広がる映画です。

今、自分はそんな感じの何かの中に囚われているのかもしれない。「インセプション」なんて見たからこんな目に合うのか!? チクショウ!!

怖い、とにかく怖い。

そう考えている間にも、板尾創路の顔がどんどん近づいてきます。

こいつの目的は何なんだ。

板尾創路の顔は、もう鼻と鼻が触れ合うほどの至近距離にあります。

何なんだ!! 何なんだ!!

こちらは目覚めたばかりのため体が動かず、夢から醒めることができません。

そして、板尾創路は私と一体化しました。

私は板尾創路になったのです。

?回目

私の名前は板尾創路。お笑いタレントをやっている。

今日は収録の日だったかな?

そう考えながら目覚めると誰かに声をかけられた。

「さっき『ウワーーー』って悲鳴あげてたで」

!!

危うく板尾創路として生きていくことになりそうでしたが、ここでようやく私は我に返り、安堵しました。嫁が声をかけてきたのは初めてです。

そしてなんとも言えない「現実感」。

完全に目覚めた……!

「ありがとうございます! ありがとうございます!」

ひたすらこの現実に感謝する私。

同時に自分の膀胱が限界であることにも気づきます。

そして無事にトイレを済ませ、今ブログを書き終え、投稿しているわけです。

今のところ新たに板尾創路が現れる気配はありません。

ですが予断は許さない状況と考えております。

おわりに

(夢に詳しい方、こういう夢を見る心理状況は一体何なのか教えてください)


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