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なぜこの宇宙ではウラシマ効果が起こるのか

こんばんは、夜中たわしです。

今回は「ウラシマ効果」と「双子のパラドックス」について、その必要最小限を語ります。

プラシーボ効果、カクテルパーティー効果、温室効果に音響効果など「○○効果」と名の付くものは無数にありますが、一番かっこいいのは「ウラシマ効果」。私はそう思います。

ウラシマ効果

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「ウラシマ効果」という単語を聞いたことのある方は多いと思います。そしてその効果が「速~い宇宙船で宇宙旅行をして地球に戻ってみると、そこははるか未来の地球だった。自分は20歳なのに、双子の弟は60歳になっていた」みたいな状況のことだと知っている方も結構おられることでしょう。

これはかのアインシュタインの相対性理論により導かれる、現実にも起こりうる事象です。

亜光速の宇宙船を乗り回して地球に帰還すると、本当にこのようなことが起きます(現状の科学力で実現するのはとんでもなく困難ですが)。

そしてその状況が「浦島太郎」と酷似していることから日本では「ウラシマ効果」と呼ばれています。

SF好きにとっては必修科目のひとつです。テストに出ますよ。

たまにある間違った解説

なにゆえこんなおもしろ現象が起こるのか。

ウラシマ効果について、このように解説されることがあります。

「特殊相対性理論によると、光速に近い速さで移動すると時間の進みが遅くなる。だから兄は地球にいる弟と比べて、年を取りにくくなるんだ」

昔どこかでこんな感じの説明を読んだ覚えがあります。

特殊相対性理論の説明自体はそんなに問題ないんですが、ウラシマ効果の説明としてはこれは不十分というか、間違いです。

双子のパラドックス

上記の説明にはこのような反論があります。

確かに地球にいる弟の視点だと兄が高速で移動しているから、兄の方が若い。なるほど。

でも一方、兄の立場になって考えると、地球にいる弟の方が高速で移動しているようにも見える。すると、弟の方が若くなるとも言える。電車に乗っていると、景色や通行人の方が動いて見えるあの感じ。

「相対性理論」ってそういうことだろ?

結局、どっちが若くなるんだ!? おかしくねーか!! と。

これが「双子のパラドックス」と呼ばれるやつなんですが、これは相対性理論を誤解した勘違いみたいなもので、その実はパラドックスでもなんでもないです。

重力が強いと時間がゆっくり流れる

兄と弟の状況には違いがあります。……それは加速度を感じるかどうか。

兄の乗る宇宙船はどこかのタイミングで地球に引き返します。

その時兄は、ちょうど電車なんかが停車する時のようなブレーキと、逆方向へ発進する時の加速を感じるはず。それも相当大きいか、もしくは長時間のはずです。弟は地球にいるだけなので特に何も感じません。

一般相対性理論っていう、特殊相対性理論より偉いやつがあるんですが、その一般相対性理論によると加速度(≒重力)がかかればかかるほど、時空が歪む(!)ため、時間がゆっくり進みます。

その理屈は今回説明できません。なぜなら私の知識が説明できるレベルまで達していないから。

なのでともかく、パラドックス的なことも発生せず兄の方が若くなるので正しいです。

乱暴な結論

ウラシマ効果の原因は強い加速度(≒重力)!

強い重力を受けている人は、時空の歪みで時間がゆっくり進む。結果、他の人より若くなる!!

とりあえず、大体こんな認識でいいと思います。


【追記】

と、書いてみたんですがちょっと乱暴すぎました。なので訂正します。

なぜこの宇宙ではウラシマ効果が起こるのか - 夜中に前へ

この説明では駄目。行きも帰りも1Gの加速度で加速/減速した場合、ずっと1G重力下にいる地球の弟と同じ年齢になっちゃう事になる!

2017/03/24 13:46

※しかられた。ありがとうございます!

確かにそうです。ゆっくり加速してもウラシマ効果は発生します。

ならその本質は何かというと、兄が引き返す時に弟との対称性が破れ、座標系の乗り換えが発生するためです。

座標系の移動ってのは何か?

元も子もないんですが、興味のある方は下記サイトが分かりやすかったので確認ください(それでも難しいです)。

物理Tips:兄が宇宙を直進して一周する時、双子のパラドックスはどうなる?

これにより兄の進行方向が反転するタイミングで、弟が爆速で歳をとる(ように見える)ことになります。

誠に恥ずかしいのですが、これを自分の言葉でまとめる実力を持ち合わせていません。

今になって、そう簡単には語れない複雑な事象だということに気づきました。

背伸びしたことは書くもんじゃないですね。いずれ再度整理したいと思います。

【追記終わり】


現実的な話をすると、実際GPS用の衛星は地上に比べて重力が小さいため、時計が早く進みます。

相対性理論に基づいていい感じに計算することで時刻を地上と同期させています。

GPSにとって数秒の誤差は命取り。たまにカーナビがバグって川の中を走っていることにされたりしますが、あれが全員に起こります。

つまり相対性理論が見つかっていなければ、GPSは使い物になっておらず、カーナビやポケモンGOも存在しないんです。

それはちょっとだけ不便ですよね。

浦島太郎について

いやしかし、そうか。重力が強いと時間が遅れるのか。


つまり竜宮城は、超重力の世界だった……?

ドラゴンボールで悟空が行っていた重力トレーニング(10倍・100倍)を遥かに凌ぐ重力に浦島太郎は耐えていた……? 乙姫とタイやヒラメも??

そういうことか……!

この宇宙について

よくわからないでしょう。

何がわからないって、この宇宙はなんでこんなルールでできているのか? ですよ。

時間の流れる速さが場所によって違うとする謎設計。おかしな仕様ですよ。

もし私が新宇宙の製造を任されている立場でこんな仕様を出されたら、

「いやいや、時間の流れは全宇宙共通にしましょうよ。その方がわかりやすいですって! 絶対!! そして納期に間に合わせるにはそれしかないですよ!!

と、ゴネます。


しかし、

おかげさまでこの宇宙ではウラシマ効果を使った面白いSFをたくさん味わうことができます。

有名どころだと、猿がわんさか出てくるやつとか、トップをねらうやつとか。

……もしやそのために。

SF業界を盛り上げて、我々を楽しませるために宇宙はこんな感じに作られている……?


ありがたや。ありがたや。

おわりに

本記事は、以前扱う記事を募集した時にハチさん(id:roll8)から受けたリクエストによるものなんですが、

記事を書き上げるまでに1ヶ月半以上を要しました。

これがウラシマ効果でしょうか。


いや……ただ単に動くのが遅い人ですね。

蛇足

本記事の執筆中に、偶然にも少し関係のあるニュースを見かけました。

「重力による時間の遅れ」みたいな聞き覚えのある単語が飛び出してきます。

たぶん量子レベルの時計(それは時計と言えるのか?)を観測すればするほど、近所にある時計が狂っていくことがわかった、ってな感じの話っぽいんですが……。

ほぼほぼ理解できませんでした! 悔しい!!

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