こんばんは。夜中たわしです。
FeBeさんからご紹介いただいたオーディオブックを聴きました。
ナポレオン・ヒルの『悪魔を出し抜け!』という本です。
ありがとうございます。タイトルからの印象でしかありませんが、こういう変な(?)本は好物です。
悪魔との対話形式
タイトルだけ聞くと「何の本なんだこれは」と思いますが、自己啓発本です。
本書で特筆すべきは、なんといっても著者と悪魔が対話する形式になっているところ。
普通じゃないです。
著者は当時職業を転々としてとにかく上手く行かず、あげく誤解で命を狙われ親戚の家に閉じこもる、といった極限状態をくぐり抜けたそうです。
そしたら何かが極まってしまい、悪魔とコンタクトを取っちゃったみたいです。
その悪魔に実体はなく、頭の中に直接語りかけてくるみたいです。なので証拠はありません。
著者は「悪魔の存在を信じるかはあなた次第。でも自分は信じてるけどね」的なことを書いているんですが、まあそこはフィクションだと思っておいたほうがいいでしょう。
いやしかし、そういや著者ナポレオン・ヒルの出版した本で最も有名なのは『思考は現実化する』です。
もしや本当に悪魔を現実化しちゃったとでも言うのでしょうか。
すげーじゃん。
70余年の封印のわけ
タイトルにも書きましたが、本書は1938年に執筆されて以降70年以上封印されてきました。
本書のメインは「悪魔がいかにして人間を堕落させているか」について著者が悪魔と直接対話する、というか事情聴取するような形になっています。
まずこの悪魔が登場するという時点で宗教的にヤバイ。特に当時は。
そしてこの悪魔、人間をコントロールする驚くべき手段をどんどん暴露してきます。
特に危険な匂いを感じたのはこのあたり。
- 答えの暗記ばかりを重視し、現実の問題への応用方法を教えない、人生の目的の見つけ方を教えない学校教育
- 子どもが困っているとすぐ手伝う親
- 価値観を押し付け、自分の頭で考えることを奪う教会(宗教)
これらが全部悪魔の差し金で、学校や教会にはもはや悪魔の息がかかった人間がわんさかいるとのことです。
そしてゆくゆくは学校の卒業後、生計を立てる以外の目標を持たず、一番に見つけた就職先に付き、貧困の恐怖からその就職先にしがみつき一生を終える。そんな人間を生み出すそうです。
そうやって育った人々はさらに同じような考えの子どもを育てるという好循環(悪魔にとっての)に入ると言います。
この、世間そのものを強烈に批判する内容。上記のような周囲に流される、自分の頭で考えない人間がの世の中の98%だと悪魔は言っています。
なんというか、今ブログなどに本人の言葉で書いたとしたら、ちょっと間違うと炎上しそうな内容です。親族が出版を反対したのもわかります。70年以上に書かれたとは思えません。
なぜ悪魔なのか
おそらく著者はこのような内容を自分の言葉で書くのはさすがに躊躇したのでしょう。
その結果、悪魔を生み出し、その悪魔の口を借りることで鬱屈した思いを余すことなく表現したんだと思います。
でもそれでも親族に反対されちゃいました。
うーん、自分と悪魔を対話させるという半フィクションではなく、もう一歩踏み込んで完全なファンタジー小説みたいにすれば、当時でも発表できたんじゃないでしょうか。
最後まで普通に悪魔と対談してるだけで、ちょっと勿体なくかんじましたね。
せっかく悪魔が出てきたんですよ。最後に著者の隠されていた力が覚醒し、悪魔を退治してこの世に平穏が訪れたりしてもよかったんじゃないでしょうか。え? それはさすがにやりすぎ?
流されない人間になろう
話を戻しまして、その他にも悪魔が人間を堕落させる手段、そして堕落した人間の性質について対話が数多く繰り広げられます。
一貫しているのは「悪魔にコントロールされないためには、周囲に流されず、自分の頭で考えろ」という部分です。
結構身に刺さる部分はありました。
しかしこの出る杭が打たれる世の中。それが難しいんだよなー。
オーディオブック版
はじめにも書きました通り、私はオーディオブック版を聴きました。
著者と悪魔が対談する部分は、聴いていて楽しいです。これはオーディオブックならでは。悪魔には声に悪魔っぽいエコーかかってます。
ちょっと気になったのは対話中にちょいちょい注釈が入る部分。これ、事前に「興味なければ聴き飛ばしていいよ」と言ってくれるんですが、聴き飛ばすって何だ? 無理では? とは思いました(書籍だと読み飛ばすように書かれているはず)。
興味のある方はサンプルをお聴きください。
遅いと感じる場合倍速にするといいです。
おわりに
ということで、悪魔と話す啓発本はこの本くらいのものでしょう。一風変わった本が読みたい人にもおすすめです。
私は何かの間違いで悪魔に出会ったら、このブログで紹介しようと思います。