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コミュ力が超必要な良質アクションパズル『スニッパーズ』感想(クリア済み)

こんばんは。夜中たわしです。

実は以前よりニンテンドースイッチが手元にあります。

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初めにプレイしたのは、スイッチの発売前から気になっていた『いっしょにチョキッと スニッパーズ』というゲームです。

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これが思いのほか楽しめたので、紹介と感想を書きます。

子供向けっぽいビジュアルですが内容はかなり硬派で、大人でも頭を悩ませるパズルが登場します。

なお本体と同時に購入したゼルダはまだプレイしてません。(たった今、嫁が隣で遊んでいます。くそう。)

概要

『いっしょにチョキッと スニッパーズ』は、コミュニケーション・アクションパズルです。

遊べるモードは3種類あります。

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それぞれ、1人~2人用のメインモード「ワールド」、2人~4人プレイ用の「パーティ」と「バトル」です。

1人プレイの可能なモードもありますが、このゲームの真骨頂は2人以上でのプレイにあります。なんたって、コミュニケーション・アクションパズルなんですから。

というかこんなにもコミュニケーション能力の必要なゲーム、初めてです。

ワールド(1人~2人用)

ステージクリアタイプのメインモードで、一番ステージ数が多いです。

まず初めのステージはこんな感じです。

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このゲーム、何をすればクリアかの説明が一切ありません。プレイヤーが推測する必要があります。

説明なしで放り込んでくるゲームは、推理要素があって好きです。説明なしでも触っていると達成目的が簡単に想像できるのはさすが任天堂。ゲームデザインが洗練されています。

ということでいくつかステージを紹介します。

形を作るステージ

このステージは想像のつく通り、点線通りに2人のキャラクターを当てはめればクリアとなります。

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さて、見ての通りそのまま点線の形に合わせるのは不可能です。

ではどうするかといいますと、

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このようにキャラ同士を重ねてボタンを押せば、

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体が切れます。(怖いです)

これがこのゲームの一番の特徴であり、「人体切断の術」と私は呼んでいます。

ちなみにこの2キャラクター、赤いやつが「スニップ」、黄色いやつが「クリップ」らしいです。スニップっていうのはちょん切るという意味の英語ですね。物騒な名前です。

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2人の形を切りそろえてこんな感じにすればクリアです。

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クリアすると見た目が鳥っぽいやつになりました。なんだこいつは。

ボールを運ぶステージ

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続きましてこんなステージがあります。

左の方にスイッチがありますが、そのままだと体が大きすぎて押せないので、体を切って押してみます。

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押せました。見ての通り、見た目がひらがなの「つ」に似ているので、これ以降2人でプレイしていると「『つ』を作ろう! 『つ』!!」などと声を掛け合うことになります。

そしてボタンを押したことによってバスケットボールが落ちてきました。

ご想像通り、これをバスケットゴールにシュートするとクリアです。

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ちょうど「つ」を使えばボールをいい感じに乗せて行くことができます。

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また、ボールを乗せて行くのは必須ではなく、ヘディングのような要領で無理やりシュートすることもできます(いい感じのスクリーンショットが撮れませんでした……)。

このように解法が無数にあるのがこのゲームの面白いところです。

ちなみにゴールには上から入れないとクリアになりません。

そう何度も言っているのに、嫁は毎回バスケットボールを見つける度に下からボールを入れようとするのをやめてくれません。

もうちょっとで! もうちょっとで押し込めるから!!

(協力して普通に上から入れようや……)


という調子で無理やりクリアすることも可能なんですが、そんなことを続けていると壁にぶち当たります。

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今度はバスケットボールではなく、ボウリングの玉のステージです。見ての通り、重すぎてヘディングでは入れられません。

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なので、嫁はまたしても下からボールを入れようとします。

下から入れるしかないやん! こんなやつ!!

……

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(その後、激しい説得の末普通に入れました)

水を運ぶステージ

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このステージは水を左の方に運ぶ必要があります。

「つ」のくぼみを使って水を溜めてももいいですが、もっと効率のいい形にしたいところ。

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こういう場合、まず細い人を作って、

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その細い人で切り取れば、試験管みたいな形を作れます(そしてこれ以降「試験管方式」と呼ばれるようになります)。

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このように段階を踏むことで様々な形を作れるのが、発想力の見せ所です。

ちなみに見ての通り、物理演算的な動きをします。予想外の動きをするため、意図しない方法でクリアをしてしまう場合もあり、それがまた面白いです。

ギアのあるステージ

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あともう1つだけ。このようにギアを回転させる必要のあるステージもあります。頑張ってキャラクターをギアみたいな形にしてみました。

でもちょっと小さかったためか回しづらいです。

2人プレイの難しさ

さてここまで見てきて、「そこまで難しくはなさそうだな」と思われたでしょうか。

確かに「攻略法を見つける」こと自体はさほど難しくないです。

そして1人でプレイした場合には特に問題ないでしょう(1人プレイ時にはキャラクターを切り替えながらプレイすることになります)。

ですが2人でプレイしている場合、2キャラを同時操作できるというメリットがあるにも関わらず、一転して難易度が跳ね上がります。

たとえば2人の呼吸を合わせてキャラクターを切り取り、目的の形を作る必要が幾度となく出てきますが、これだけでももう大変。

相手と「作りたい形」の認識が合っていないと、まともに切り取ることもできません。

これを言語で伝えることの難しさといったら! これはぜひ一度体験してほしいです。

また形の認識が合ったところで、切る方切られる方が自由に動いていると狙った通りに切れません。なので「切られる方は原則動かない」などの取り決めをしておかないと、最悪喧嘩に発展します。

なんで、切ってる最中に動くねーん!! 大穴が開いたやん!!

いやちょっと水平になってなかったから、微調整したほうがいいかと思って。

それならそう言って!

この辺、美容室で働いている方なら上手くやるかもしれません。

パーティ

続きまして2~4人用のパーティでは、4キャラクターが登場します。なお2人でプレイする場合は、1人で2キャラずつの操作を担当します。

「パーティ」と名前は楽しそうですが、やるべきことは先程のワールドと変わりません。 そしてキャラが4人いるため、さらに難易度が上がります。そしてこの難易度は、主にコミュニケーションの難易度です。

2ヶ所に水を溜めるステージ

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たとえばこのステージ。

シルエットの部分に水を溜めた状態にすればクリアです。

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普通に考えるとこんな感じで水槽みたいなのを作り水を溜めていきますが……。

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このやり方だとその後、水を入れる人がいなくなってしまいます。

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これを解決するにはは、水を入れた状態で足並みをそろえて移動する必要があります。

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足並みが揃わないとこうなったり、

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こうなります。

4人プレイしている場合だと、この間左の2人は待ちぼうけです。遊んでいる相手によっては険悪なムードになることが避けられないでしょう。

恐ろしいゲームです。

バスケットゴールが3つあるステージ

でもまだそんなのは序の口です。

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このようにオブジェクトが沢山あるステージでは、誰かが統率を取らない限りみんなが好き勝手に動いてしまい、カオスが訪れます。

誰かリーダーを決めて他の人は従いましょう。

とにかくリーダーシップ、チームワーク、コミュニケーション能力、伝達能力、協調性、発想力、忍耐など、就活で求められそうな能力が求められます。

こんなに色んな能力が求められるゲームはちょっと他に知りません。

就職面接のグループワークなんかで見知らぬ4人にプレイさせてみたら、それぞれの人格が浮き彫りになって面白いと思います。

正直、自分がプレイするより他の人が協力プレイしているのを見る方が楽しいです。

子どものころからこのゲームを遊んでいれば色んな能力が上がりに上がるばかりか、最終的に達観して「思いは他人に伝わらない。人は常に孤独である」ということに気づくかもしれません。

バトル

最後のモード、バトルについて。

ちょっとここまで気合いを入れて書きすぎたためか息切れしてきたので、あっさりめです。

チョキッとバスケ

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バスケットボールを相手のゴールにシュートするゲームです。

もちろん相手を切ることもできます。

2人でプレイしたためか、面白さは微妙でした。4人だと盛り上がるかも。

チョキッとホッケー

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ボタンを相手のゴールにシュートするゲームです。

このゲームももちろん相手を切ることができます。

ボタンがちょうどハイパーホッケーのようにものすごく滑るので、予期せぬ挙動をして面白いです。

バトルの中ではこれが一番好きです。

チョキッとドージョー

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シンプルに相手を切って小さくして倒すゲームです。

とにかく相手に近づいて切るボタンを連打することになります。高橋名人なら強そう。

これもバスケと同じで、4人でやれば面白いかも。

ステージ数・プレイ時間

最後にゲームのボリュームはこんな感じです。

ワールド:45ステージ

パーティ:21ステージ

バトル:3種類


ほとんどを2人でプレイして、5時間程度で全ステージをクリアしました。

4人用を4人でプレイするともっと時間がかかりそうです。

おわりに

ゲーム内容的には、ほんとに想像以上に楽しめました。

スイッチを買ったもののゼルダ以外に何を遊ぶか迷っている方には、おすすめです。パズル好きなら間違いないかと。そしてぜひ複数人で遊んでみてください。

ちょっとボリューム不足は感じますが、バラエティに富んだステージが遊べて満足です。定価1800円なのでこんなもんでしょう。

かなり毛色が違いますが、ポータル2の協力プレイを思いだしました。

とにかく人が遊んでいるのを見たいです。ニンテンドースイッチの特性を活かして、外に持ち出して他の人に遊んでもらい、プレイを鑑賞するという楽しみ方ができそうですね。

こちらダウンロード専用ソフトで、ニンテンドーeショップから直接購入する以外にAmazonや楽天経由で購入することもできます。体験版もあるので、興味を持った方はぜひお試しください。

私は15%オフのクーポンが使える楽天で購入しました。

よし。……ゼルダやるぞ!!

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