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やりこみ要素抜群、闇のドット絵シューティング『BLACK BIRD(ブラックバード)』レビュー

こんばんは、夜中たわしです。

ニンテンドースイッチとSteamで先日配信開始された『BLACK BIRD(ブラックバード)』。

シューティングなんですが、軽い気持ちで遊んでみると、いつの間にかスコアアタックに没頭してしまい、気づくと夜が明けているタイプのゲームです。

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(画像:公式サイトより)

シューティングはたまに遊ぶ程度で、クリアできれば御の字、スコアは基本気にしない(スコアで残機が増えるタイプならちょっと気にする)んですが、これはハマりました。

要因はこんなとこですかね。

  • 遊ぶたびに発見があり、プレイするほどにスコアがメキメキ上がる
  • 真のエンディングを見るのに一定スコアが必要(結構キツイ)
  • スコアランキングがある

エンディングを人質にしてスコアアタックをさせるのは正直卑怯……でも面白いんだよなあ……。

なお開発は『moon』でおなじみ木村祥朗氏が代表のオニオンゲームス。いわゆるラブデリック系の最新作にあたりますよ。

あまりにダークで魅力的な世界観

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まずこれがゲーム画面。暗い。

操作するのは当然黒い鳥。他ゲームにボスキャラとして出てきても違和感のない風格で、パワーアップすればするほど、禍々しさが増します。

倒すべき敵はほとんどがヒゲの人。風船で飛んで弓を撃ってきたり、頭に装備した砲台をぶっ放してきたりと武装したやつはもちろん、普通に散歩してたり、家でくつろいでる人、洗濯物を干してる人々にまで攻撃が可能。当たり判定のあるオブジェクトも多く、家屋はどんどん巻き添えで壊れていきます。

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どうやら黒い鳥は街を破壊し尽くすのが目的で、ヒゲの人たちはそれを防衛しているであろうことが見て取れますが、なぜその状況なのかは不明。なぜヒゲだらけなのかも不明。女性や子どもは一体どこに?

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タコみたいな口したヤツははヒゲが生えてないようだけど、人間なのか??

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ストーリーはあるものの、言語による説明は一切ありません。情報が得られるのは冒頭とステージ間での短いデモからのみ。デモではヒゲの人は見あたらず、むしろ普通っぽい人が登場。人種が違わないか。

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ゲーム冒頭では少女が行き倒れ、黒い鳥として孵化したように見えるんですが、詳細はわかりません。恐ろしいですね。しかしこの、悲惨なデモからゲーム開始に至る流れは最高。

雰囲気のよくわかる公式動画を貼っておきます。

システムはファンタジーゾーンに近い

このゲームの印象を一言で言えば、闇のファンタジーゾーン(セガの名作シューティング)という感じ。

起動直後のロード画面で遊び方が説明されます。

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操作は移動、ショット、ボムのみ。かなりシンプル。

上記画面の右上に物騒なことが書いてありますが、ステージを進んでいくと、よく似た人が砦のようなところで頑張っているのを発見します。

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この砦をすべて破壊すればボスが登場。

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見事倒せばステージクリアという流れです。

なお黒い鳥は左右どちらにも進むことができ、ステージは循環しています。ファンタジーゾーンですね。

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黒い鳥の攻撃は泡状のもので、これに包まれた敵は破裂(!)。ドット絵が可愛らしいので誤魔化されてしまいますが、かなりの残酷性ですよ。リアル調ならCERO Zで間違いなし。でもこれ、連続で倒すとコンボが繋がってえらい気持ちいいんですよ……。

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ボムを撃つと、周囲の敵を吸引して倒します。

敵を倒した後には緑の宝石が残されます。これはパワーアップアイテムで、一定数取得するたびに黒い鳥は姿を変え、攻撃力が上がります。ボムの射程と有効時間もアップ。最大レベルでのショットとボムはものすごいので、一見の価値あり。

一方で敵からダメージを受けるとライフが減り、これが尽きると少女の姿に戻ってゲームオーバー。コンティニューなんて軟弱なものはありません。

敵の動作がBGMとシンクロ

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本作の特徴として、敵の出現や攻撃のタイミングがBGMとシンクロしていることが挙げられます。

これがなかなか小気味いいので、ぜひとも大音量でプレイしていただきたい。

あるフレーズに差し掛かると自機周辺に敵が湧いてくるため、BGMを覚えれば敵の動きがコントロールできるように。つまり、BGMを覚えることが攻略に繋がります。

危険回避に役立つのはもちろん、あえて狙った地点に敵を大量に集めてボムを撃つことでスコアを稼ぐといったプレイも可能で、狙い通りに事が運んだ時の気持ちよさはなかなかのもの。

恐るべきスコアアタックの中毒性

このゲームは、プレイヤーのシューティング技術をとにかく上げたいようです。それもかなりの段階まで。

実際に私がどんな流れで体験したかと言いますと……

  • 最初にプレイできるのはノーマルモード。これはシューティング経験者なら労せずしてクリアできる。私は2回目でクリア。システムがよくわかってなくても大丈夫なレベル。

  • ノーマルモードのクリアでトゥルーモードが解禁。ここからがある種本番。

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  • ノーマルモードのエンディングでは、ストーリーに対する疑問が増して終わる。プレイ続行せざるを得ない。

  • トゥルーモードの難易度は、アーケードのシューティングに近いレベル。そこそこ難しい(しかし後々にはプレイを繰り返すうち、クリアするだけなら余裕の境地に達する)。

  • やっとのことでトゥルーモードをクリアしたら、「真のエンディングを見たかったら高スコア取ってね」的なメッセージが。どうやら今見たエンディングはバッドエンドだったようだ。何だって!?

  • この要求スコアがまあ、一見すると高い。「無理だろ!!?」ってなる。しかしなおストーリーは気になるため、無理を承知でプレイ続行せざるを得ない。

  • これまではクリアだけが目的の安全プレイ重視だったのが、ここに来て一転、攻めのプレイを求められることに。遊び方がまったく変わる。そしてここからなのだ、本当に面白いのは。

  • 遊べば遊ぶほどスコアが爆発的に稼げるようになっていく。その稼ぎパターンを構築するのが楽しくてたまらない。そしてその戦略は、無数に存在することに気づく。

  • どのルートで向かえばちょうどいいBGMのタイミングで稼ぎポイントにたどり着けるか? 道中では砦も破壊しなきゃならないし、ツボからのアイテム回収も並行して行わなきゃならない。いや、砦の破壊は後回しにしたほうが敵が湧いてきて都合がいいか? そういえば、そもそも開始直後に進むべきなのは右がいいのか、それとも左か? あ、こんなところにも隠しキャラがいた! 作戦を考え直さないと……

  • すると、あんなに無理だと思えていた規定スコアに、早々に達していることに気づく。知らん間にめちゃくちゃ上達していた。

  • しかしここで気を抜いちゃいけない。クリアしなきゃ意味ないのだ。

※執筆時点では16位まで転落

  • スコア稼ぎに執着すると、ボムを1つ残らず使い尽くしてしまう。もちろんライフも最低限しか残っていない……。そんな状態でクリアできるのか?? なんというジレンマ……。

  • とりあえず真エンディングが見たいなら、まずは極限までハイスコアは目指さず、規定スコアを獲得したら後は安全にプレイしたほうがいい……。でないと私のように、「スコアは余裕で足りてるのにゲームオーバー」を繰り返すことになる。


そんな感じです。

ゲームシステムの理解が深まるにつれ、また敵の配置、出現パターンを覚えるほどに実力が上がっていくのが体感でき、止め時が見つからなくなります。

全4ステージで、1プレイが大体20~30分で終わるというのもちょうどよくて、これ以上長いとたぶん根性が続きません。

一方でゲームの性質上、ステージ1で攻めすぎたプレイをしてしまい、ミスってやり直したくなるケースが多々あるんですが、即座にリトライできないのが残念。一旦メインメニューに戻り、ロードを挟む必要があるのは面倒で、テンポが悪い……。

おわりに

真エンディングを見るのは、相応の繰り返しプレイは必要ですが……常人でできる範疇です。

しかし、真エンディングを見て一瞬「なるほどそういうことか!」と世界の秘密がわかった気になりましたが、よくよく考えると全然わからない。間違いなく重要な情報は開示されてるんですが、考察は苦手なんだ……。もしかすると隠しエンディングも見ればもう少し何かわかるかもしれません。

そう、問題は真エンディングの後に開放される隠しエンディング。

これは条件がべらぼうに厳しくて(明記は避けます)、私ではもう無理かも。さっきまで頑張ってたんですが、あと一歩のところで失敗し心が折れて、本記事を書くに至っています。

どなたか腕に覚えのある方、カタキを討ってください。

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