こんばんは、夜中たわしです。
私がPSVRを購入してから待ち焦がれていたゲーム『V!勇者のくせになまいきだR』(略称:Vなま)の紹介と感想です。
世界観
『勇者のくせになまいきだ』シリーズは元々PSPで展開されていたもので、魔王の元でプレイヤーが破壊神となって勇者を倒し、世界征服を目指すゲームです。……わりと有名なんで、細かい説明は良いでしょう。
元々はドット絵が売りでしたが、流石にVRとなるとドット絵はキツかったようで普通に3Dになっています。
これを心配する声も上がっていましたが、プレイしてみると今までの雰囲気はそのまま。
どこか憎めない魔王に、これでもかと用意されたパロディの数々。食物連鎖システムも続投しており、完全に『勇者のくせになまいきだ』です。ご安心ください。
オープニング
ゲーム開始時の演出がなかなか好みでした。
過去作では魔王は謎の言語(魔王語)を操っており、テキストを読まないと何を言っているのかサッパリでしたが、今作は普通に日本語を喋ります。なぜならVRだと大量のテキストなんて読んでられないから。
この日本語の習得と3D化に納得感を出すためでしょう、ゲーム開始時は画面越しにこちらを見ていた魔王とそのムスメが……画面、文字通り第四の壁を破壊し(!)プレイヤーを魔王の部屋に引きずり込む演出があります。
このタイミングで、平面表示+字幕表示だったものが3D+フルボイス(日本語)に!
これは下記プロモーション動画の冒頭で見られるので、ぜひご覧ください。
こういうやつ好き。
ゲームシステム
ということで魔王の部屋にてプレイヤーは破壊神となり世界征服を行います。
ジャンルは、ステージクリア式のRTS(リアルタイムストラテジー)。
過去作では地下で守りに徹してましたが、今作ではついに地上を攻めます。
魔物を繰り出し、向かってくる勇者を蹴散らして勇者の城を攻め落とせばクリア。逆に勇者がこちらの拠点である「あんこくの塔」に侵入してくるとゲームオーバーです。
詳細については後ほど。
動くジオラマ
上記ゲーム画面からも分かる通り、本作の最大の特徴はこのジオラマ的なテーブル。
ステージ選択画面となるマップから戦場となるステージまで、すべて魔王の部屋内のテーブルにミニチュアとして再現されており、この上で魔物も勇者も目まぐるしく動きます。
静止画だと魅力が伝わりづらいですが、この雰囲気がすごく良い……。
テーブルを回転させて魔物や勇者の動きを色んな方向から眺めているだけでも本当に楽しいです。
適当に塔の防御を固めたら、戦いは放っておいて好きな勇者を間近で追いかけてみましょう。拠点を訪ねたり、パーティーを組んだりと思い思いにそれそれの冒険をしているのがわかるはず。
とにかくこの動くジオラマ、箱庭感が素晴らしい。本作の最もいいところです。
テーブルを覗き込んで遊ぶ形式のため、いわゆる「VR酔い」にもなりにくいです。
魔王とムスメ
ジオラマも素晴らしいですが、忘れてはならないのが魔王とムスメの存在感。
2人はゲーム中、戦況を見てワイワイとツッコミやアドバイスをくれます。
さらには魔王がテーブルの地形を利用して遊んでる時にテーブルを回転させると怒られたり、ムスメが話しているのに無視して別の方向を見てるとムスメが拗ねちゃったりと、プレイヤーの行動に応じたリアクションを返してくれることもあります。
ゲーム性に直接関わらないにも関わらず、強い作り込みのこだわりを感じます。
魔王とムスメが生き生きとしており、本当に一緒に部屋で遊んでいるかのように錯覚するほど(遊びじゃなくて世界征服だっけ?)。
おかげさまで、その後ゲームを終了すると部屋に誰もいなくて悲しくなったりします。
※0歳の息子がいるので、トラブルの起きにくい深夜に遊んでる
ちなみにジオラマ内の「あんこくの塔」に勇者が侵入するとゲームオーバーと書きましたが、この部屋自体が「あんこくの塔」の中にあるため、実際にプレイヤーの後方にあるドアから勇者が踏み込んできます! なかなかの臨場感。
そして今までのシリーズ通り、魔王がスマキにされてさらわれていきます。その前には漫才的なイベントも。魔王が「味方になれば世界の半分を……」などと言ったりと、有名ゲームのラスボスのパロディも満載。
この負けイベントのパターンも膨大で、3桁以上のパターンがあるらしいです(ファミ通情報)。作り過ぎでは!? そんなにゲームオーバーにならんでしょう。
ゲームの進め方
なにやらムード的な話ばかりになっており、結局どういうゲームなのかほぼ伝えていないので、ゲームの進め方についても少し触れておきます。
ゲームの目的は魔物を駆使して勇者の城を制圧すること。
前作では土を掘って魔物を生み出していましたが、今作では「魔物の巣」を自由に配置することが可能になっており、かなり自由に魔物をコントロール可能です。
今まで通り食物連鎖システムも顕在で、「トカゲおとこ」は「ガジガジムシ」を食べ、「ガジガジムシ」は「ニジリゴケ」を食べて増殖する……といった要素はそのまま。
なので強いからといって「トカゲおとこの巣」ばかり配置するといずれ餓死してしまうので、バランスよく巣を配置して生態系を維持する必要があります。
巣が自由に配置できるなら、いきなり勇者の城の前に巣を置きまくればいいのでは!?
と思うかもしれませんが、
巣の配置には「カリス魔」というポイントを消費する(ポイントを稼ぐには勇者を倒すか、拠点を制圧する必要あり)
巣を配置できるのは「魔界化」した領土に限る(魔物の巣を配置するか、拠点を制圧すると周辺が魔界化する)
というルールがあるので、いきなりそんなに進軍できません。地道に行きましょう。
巣の配置以外で代表的なアクションとしては、
- 魔物を吸い込み、任意の場所に移動(魔界化した領土限定)
- 吸い込んだ魔物を合成してより強い魔物を生み出す
- 指定した拠点に対し進軍
があります。
これらを駆使し、魔物を強化しつつ拠点を制圧しながら勇者の城に進軍していく。そんなゲームです。
マップ上のカーソル選択はコントローラの傾きにより行いますが、これはかなり良好で直感的にポイントできました。
難易度
過去作と比べると全体的にやや易しめでした。
自由度が高まったためか攻略方法がワンパターン化する傾向にあり、少し大味な印象を受けます。
ただし最終面だけは他と比べて格段に難しく、何度もやられてたら「難易度を落としてみては?」的なメッセージが表示されました(これはすごく小馬鹿にしたメッセージで腹が立つのでぜひ読むべき)。もちろん難易度は下げずに頑張ってクリアした。
難易度は「やさしい」「ふつう」「むずかしい」の三段階があるのと、繰り返しプレイにより魔物のレベルを上げられるため、クリアできないといったことはまずないでしょう。
プレイ時間とやりこみ要素
クリアまで6~7時間程度でした。
その後1時間ほどでプラチナトロフィーまで獲得。かなり楽な部類ですね。
ボリューム的には少なく感じるかもしれません(過去作もスムーズにクリアすればこんなもんだけど)。
やりこみ要素としては魔物のレベル最大化を初め、図鑑の収集、繰り返し同じステージを遊べば難易度がどんどん上がっていくので、高みを目指すなどがあります。
ですがそんな、何十時間も飽きずに遊ぶのは厳しいかな。
総評
過去作と比べると難易度や戦略性は落ちますが、魔王やムスメとジオラマを眺めて一緒に遊ぶ、この感じは今までに体験したことのない雰囲気で非常に良かったです。
これだけでも買った甲斐がありました。PSVRを持っているなら、ぜひ遊んでみてください。
おわりに
同日に新型のPSVRが発売されたのでちょっとショック。安くなった上にケーブルの本数も減ったみたいだし。