こんばんは、夜中たわしです。
みなさんは「取り付け騒ぎ」という言葉をご存知でしょうか?
この言葉、全然直感的じゃなくて、わかりにくいですよね。
「取り付け騒ぎ」という言葉を初めて知った場合、一見意味がわかりそうに感じると思います。だって「取り付け」も「騒ぎ」も聞き覚えのある単語ですし。
でも「取り付け騒ぎ」という言葉だけをいくら眺めていても絶対答えにたどり着けないじゃないですか。
そんなことないですか??
なんてことを考えていたら偶然にも! 「取り付け騒ぎ」という言葉を嫁が知らなかったので、一体何を指す言葉なのかを考えてもらいました。
もし「取り付け騒ぎ」をご存じない方は、一緒に考えてみてください。
※先入観を植え付けるためのイラスト
「取り付け騒ぎ」って何?
──ということで「取り付け騒ぎ」がどのようなシチュエーションを意味するのか当ててください。
エアコンとか設置する時に、業者の人がちゃんと付けるか見張って騒ぐこと?
──普通そんな方向性だと思いますよね。違います。
あ! あれだ! 焼き鳥の二度漬け! 二度漬けする人に対し、「やめろ!!」と騒ぎ立てること?
──違います。ええと、全然当たらないと思うんで、質問があればどうぞ。
……それは1人でもできますか? 1人でエアコンやらを設置しようとして騒ぐっていう……。
──1人では無理です。
2人以上ならできるってこと? 多重人格ならできる?
──少なくとも2人は必要です。多重人格については考えなくていいです。
意思疎通の話? エアコンをここに設置したいな、っていう設置場所のすり合わせ?
──エアコンのことは一旦忘れましょう。全然関係ないんで。
騒ぐって本当に騒ぐ?
──騒ぎます。
騒ぐってわーわー?
──わーわー言う人もいます。
取り付けるって何を?
──それは答えになるんで言えません。
取り付ける対象物はなんでもいいの?
──なんでもいいわけじゃないです。
特定の物を取り付けるのに使う?
──そうです。
その特定のものが分かれば答えなの? その特定のものってのは、私の知らないものでは?
──特定のものがわかれば、ほぼ答えです。絶対に知っているものです。
この家にありますか?
──あると言えば、あります。
本当にそれは存在しますか? 抽象的な存在では?
──本当に存在します。
どのご家庭にもありますか?
──普通はあります。
空気とかではない? 電気?
──違います。
アンテナの取り付け?
──家に設置するものじゃないです。
一人暮らしの家にもある?
──普通あります。
人に取り付けるの?
──人に取り付けるものではないです。
人が持ってるけど人には取り付けない? 人に標準で生まれたときから備わっているもの?
──生まれたときには備わっていません。そもそも「備わっている」とは言いません。
騒ぐのは誰なの?
──人々です。
騒ぐ人々は取り付けられた人々?
──主に「取り付けたい」人々が騒ぎます。
その取り付けるもの、騒がれる対象物はどうやって出てくるの? 人はどうやってそれを持つの?
──いい質問ですね。えー、言うなれば「契約」です。
……保険?
──違います。
付けようとする人が騒ぐ? 生命保険を付けようとして騒ぐ?
──違います。保険金殺人などは関係ありません。
その対象物を取り付けるってのは一般的に言う?
──「取り付け騒ぎ」のときくらいしか言いません。
「取り付ける」って何かをくっつけることで合ってる?
──違います。
じゃあ「取り付ける」とはどういった行為?
──「取り戻す」という意味です。それも激しく。
あ! ひったくり……?
──ひったくりは関係ありません。
それは取り戻そうとしている人々が元々与えたもの?
──そうです。
目に見えるもの?
──見えます。
教育費? 子どもが成長した後、子供に対して「これだけお金使ったから返せ!」って言うやつ?
──違います。
お金関係ではない?
──お金関係です。
大人が大人に対して言う? 大人が子供に対して言う?
──大人が大人に対して言う場合がほとんどです。
遺産? いや、遺産を返せっていう人は死んでるから違うか……。
──そうですね。
たわしは返したの?
──私は返したことはないです。
たわしは言われる可能性ある? 母親に言われる可能性がある?
──可能性はないです。
私は騒がれる可能性はある?
──ありません。
一般的に起こる現象じゃない? みんなに起こる現象じゃない?
──個人に対して起こる現象ではないです。
給料未払い?
──違います。
将来的にも私が騒がれることはない?
──特定の職業につかない限り、ありません。
たわしが騒ぐことはある?
──可能性はあります。
今は騒がない?
──今は騒ぎません。
返してもらえるものなの? 騒ぎ立てる人が理不尽なことを言っている?
──返してもらえるものです。理不尽な要求ではありません。
貯金?
──正解! (終わらないかと思った……!)
取り付け騒ぎとは
取り付け騒ぎ(とりつけさわぎ、英語:bank run)とは、特定の金融機関や金融制度に対する信用不安などから、預金者が預金・貯金・掛け金等を取り戻そうとして(=取り付け)、急激に金融機関の店頭に殺到し、混乱をきたす現象のこと。
やはりこの「取り付け騒ぎ」って名前、よくないでしょう……。
英語だと、「bank run」あるいは「a run on a bank」って言うようですが、bankが入ってるんでまだ直感的かと。「銀行ダッシュ」って感じですかね。
こっちの方がまだいいじゃん。銀行ダッシュ。ダサいけど。
おわりに
「取り付け騒ぎ」という単語が生まれた経緯について調べましたが、ついに見つかりませんでした。
日本で最初の取り付け騒ぎが起こったのが1927年なんで、その頃にはもうあったのかな?
何かご存じの方、よければご一報をお待ちしております。
このような記事を書いていくことで、ゆくゆく日本語がわかりやすく変化していくのでは? と甘い考えを持っています。
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