昨日公開した実写映画「サクラダリセット」の後篇を観てきたのでその感想です。
しかしなんで「前編」「後編」じゃないんだろ。
サクラダリセットとは
サクラダリセットは、日常系の能力者もので原作はラノベ、現在アニメも放送中の作品です。
前篇のレビュー時に概要を書いたので、気になる方はそちらをどうぞ。
色々と惜しい作品
原作6・7巻の内容をダイジェストで繋げたような感じでした。
大筋が原作通りなので面白いんですが、尺の都合からか説明不足感が結構あります。そのため「どうしてそういう行動に出るのだ」「なぜそれで納得してしまうのか」と言いたくなるシーンがいくつかありました。
一緒に行った嫁(原作未読)も、前篇は理解できたけど後篇は理解できない部分が結構あった、と言っていました(あとで教えておきました)。
後述のネタバレ感想で記載しますが、ちょっとラストに消化不良感があり、ここが一番気になりました。
これならいっそ、ラストを大きく変えてオリジナル展開にしてもいいかと思いました(かなり勇気が必要そうですが)。
演出面で気になったのは、CG部分。車が中を飛んだり、町中で爆発が起こったりしたりするんですが「あ~、モロCGだなぁ~」という感じでした。まあこの作品はシナリオがメインなんで、いいんですけども。
逆に突出してよかったのは悪役の浦地役、及川さんの演技。
及川光博氏
彼の平静を装いつつも狂気を孕んでいる演技が抜きん出ていて、非常に良かったです。
ツイッターを眺めていたら「サクラダリセット後篇 主演:及川光博」的なツイートが見つかるほどでした。これは笑った。
及川さんのファンなら、観に行っていいと思います(私は及川さんのことは、今までほぼ知りませんでした……)。
原作との相違点
ここからはネタバレを含みます。
原作から変わった、大きなポイントをまとめました。原作を知っている人向けです。
ネタバレを望まない方はここをクリックして最後まで飛んでください。
- 原作5巻の夢の世界の話、全カット
- 原作4巻(短編集)ももちろんカット
- 映画は原作6・7巻のダイジェスト版
- 原作では例の能力を猫に能力をコピーし、猫を犠牲にすることで解決を図るはずが、映画には野ノ尾盛夏(猫と意識を共有する能力者)が登場しないためそれは不可能。なので、人間に対し交代制で能力をコピーするという提案に変わっている。
尺の都合か野ノ尾が登場しないため、結末がちょっとしっくりきません。
本来、猫を半永久的にロックしておくことでいい感じになるはずでした(猫にとってはたまったもんじゃないですが)。
ですが人間が交代でその役割を担うという方針の場合、坂上(能力をコピーする能力)と加賀谷(ロックする能力)が常に協力する必要があります。
この2人に何かあった場合、この提案は破綻します。坂上さんは管理局への就職および特別待遇が決まって万々歳(前篇同様、能力発動時に超疲弊するのに加えメガネが曇る曇る。管理局は彼にメガネとメガネ拭きを提供すべき)ですが、あまり長く持たない仕組みです。
この2人が少しでも長生きするよう、徹底的にストレスフリーな職場と定期的な健康診断を与えて、生きているうちに別の対策を用意するんでしょうか。
映画では野ノ尾が登場していないものの、どこかで暮らしていると考えればまあすぐ対策は打てますけども。
その辺が映画だけでは読み取れないので、ケイはよくその提案で突っ走れたな。というのと浦地もよくその提案で折れたな。という印象を受けました。
おわりに
前篇を観に行った時、観客数が少なすぎてヤバイんじゃないか、と危惧していたんですが、案の定上映する劇場が減ってました。
前篇を観に行った映画館で上映しないため諦めそうになりましたが、前篇のレビュー書いたのに後篇を書かないのはどうよ? と思い直し遠くの映画館まで行ってきました。
しかしやはりと言うべきか、観客は20人程度。大丈夫なのか……。そんなに悪い映画じゃないのに。
おそらくプロモーションが上手く行っていないのと、「アニメが同時にやってるなら、アニメでいいじゃん」という感じで客足が遠のいているんだと思います。
私から言えるのは、映画を観るか迷っているなら、原作版かアニメ版を観終わってから、シナリオが気に入ったなら観て違いを楽しめばいいのでは、と思います。
※カードゲームが出ていることを今知りました
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