こんばんは。夜中たわしです。
初めて献本というやつを受けました。
『初対面でも話しがはずむ おもしろい伝え方の公式』という本です。
ちなみに本書の著者は、「世界ふしぎ発見」や「TVチャンピオン」などの番組を担当した放送作家、石田章洋氏です。
なおこの献本はレビュープラスというサービスにより受けました。
随分前から登録だけはしていたんですが、先日初めて「レビュアー募集してるよ」的なメールが来たので、タダで本が貰えるならラッキー、と深く考えずに申し込んでみました。
すると2日後にはこの本がポストに投函されていました。ありがたや。ありがたや。
レビューが難しい本
届いてから思いましたが、この本のレビューってちょっとハードルが高いですよ。
だって『おもしろい伝え方の公式』ですよ。
それを読んで書いた感想自体が全然おもしろくなかった日には、「つまらないレビュー記事だな」「その程度の本か」「そもそもたわしって何やねん(笑)」などといった叱咤激励を受けることでしょう。
それは多少つらいですよね。私はハメられたのかもしれません。
章立て
以下が本書の章立てです。
- 第1章 なぜ、あなたの話は「おもしろくない」のか?
- 第2章 おもしろい人は「空気」を読む
- 第3章 今日から使えるたったひとつの"笑いの原理"
- 第4章 今より2倍おもしろくなる「伝える技術」
- 第5章 シチュエーション別おもしろい伝え方
- 第6章 今よりもっとおもしろくなる!おもしろい人の習慣
このように、かなり挑戦的な構成になっています。そんなに一気におもしろい人材になるものでしょうか?
以降、本書を読んで私が感じたことを中心に記載します。
「おもしろい」とは何か
突然ですがみなさんは「人はなぜ笑うのか」を説明できるでしょうか。
日常での思わず笑ってしまったエピソードを想像してみてください。
なぜそれをおもしろいと感じたのか、よくわからなくないですか? 突き詰めていけば最終的に「いやいや、おもしろいものは、おもしろいんだよ!」なんて境地にたどり着いてしまうんじゃないでしょうか。
これはおいしい料理をなぜおいしく感じるのか、なぜ殴られると痛いのか、レベルの根源的な疑問に近いです。もはや生理現象です。
本書によれば、「笑い」というのは元々は猿が歯を見せることで友好を表したのが始まりらしいです。仲間と共存するための機能なんですかね?
しかし時には腹がよじれるほど笑ってしまい、身動きが取れなくなることがありますよね。そう考えると「笑う」という機能はなんだか生存上不利な気もします。「笑い死に」という言葉もありますし。
そう考えると体をくすぐられると笑ってしまうのも、理由がよくわかんないですよね。これは脳が混乱を起こしているみたいですけど。
あー、自分の体に起こってる現象なのに、ぜーんぜんわかんねえ!!
緊張と緩和
本書では、緊張が緩和された時、あるいは予想が裏切られた時のギャップをおもしろさの代表として紹介しています。
単純な例として、「葬儀中のおなら」や、「政治家が転ぶ」などが挙げられます。
なるほど確かに。
「緊張と緩和」は有名なので聞いたことのある方も多いかと思います。
となるとこの記事を面白くするには、予想を裏切る……つまり、レビューをすると見せかけて、レビューをしない。「本のデザインがいい」とか、「枕にしたらちょうどよかった」、あるいは「硬すぎて眠れない。何事だ」なんて記事にすればいいのかもしれません。
実は本当にやってやろうかとも思ったんですが、献本していただいたにも関わらずそんな恩を仇で返すようなことをすると、シンプルに怒られそうなので思い留まりましたよね……。
おやじギャグは何故寒いのか
「おもしろさ」を理解するには、「どういうものがおもしろくないのか」についても知っておきたいです。
本書によれば、おやじギャグがつまらない理由は、緊張がまったくないところに突如「緩和=弛緩」が来るためではないかと分析しています。
緩みっぱなしでしょうもないギャグにも関わらず、ギャグと言う性質上笑いを強要してくるため、つまらないばかりか怒りがこみ上げてくるのではないか、とのこと。
そんなおやじギャグをおもしろくする方法について考えてみましたが……たとえば無茶苦茶をやることですかね。
言っている内容がおやじギャグであっても、裸になって自身の体を叩きつつ、川に飛び込みながら言っていれば、さすがにおもしろいんじゃないでしょうか?
まあそんな行為を見せられたら、無言でもおもしろいですけど。
お笑いのタブーに切り込む本
本書には有名人などの「おもしろい会話」の例と、それが「なぜおもしろく感じるか」について多数紹介されています。
しかしあとがきで作者の方も触れていますが、この「なぜこの話がおもしろいか」を説明する行為は、かなり無粋です。著者の方もこの内容を出版するのはかなり勇気が必要だったんじゃないでしょうか。
それ故にこのようなタイプの本は珍しいです。特に上記でも挙げたように「おもしろい」「おもしろくない」の正体が何なのかについて具体例を交えて分析している点は非常に興味深かったです。
おわりに
さて、本書の内容を踏まえれば、おもしろい話題がモリモリ出てくるようになるのか……? というと、本書を読むだけじゃなく相当な訓練が必要そうだなあとは思いました。
本書の最後にはおもしろい人の行っている習慣についても書かれているんですが、おもしろい人は、日頃からネタを集め、想像力を鍛え、「知識」を蓄え、「客観力」を鍛えていると言います。
そんな不断の努力している人々に、本を一冊読んだだけで到達できるはずがありません。
そうでないと、この記事が抱腹絶倒の面白さになっていない説明がつきませんもの……。
冒頭にも記載しましたが、本書はレビュープラスというサービスにより献本を受けました。
献本を受けるとレビューを書く義務はありますが、別段感想を好き勝手書いていいみたいなので、気楽なものです。
読書好きでかつ、ブログを持っている方はお試しください。
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