小学生の頃、運動会の朝に雨が降りました。
天気予報では雨は少ししたら止むとのことでした。そのため運動会は時間を遅らせて開始することになったのです。
そして私の担任だった女教師は思いついたのです。今から思えば悪魔的発想でした。
「体育館で組体操の練習しよか」
えっ! 練習すんの?
「当日の朝まで練習することはねーだろ!? 昨日まで頑張って練習してきたんだし、もう雨が止むまで寝てましょうよ! それがいい! 寝よう! みんな!! そうだろ!?」
このように声に出す度胸はなかったので、みんなの心に直接呼びかけてみましたが、一向に思いは伝わらず、練習は開始されました。
ピラミッドの練習
練習では最も難易度の高い、ピラミッドの練習を行いました。
私は早生まれだったこともあり、クラスの中では身長が低く、整列時には前から2番目以内をキープしていました。
そうなると、ピラミッドで一番上になることは必然です。
そして事件は起こりました。
骨が折れちゃった
そう、私はピラミッドから転落し、腕を骨折したのです。
ちなみに失敗したピラミッドは、4人ピラミッド。言うまでもなくピラミッドの中では最低ランクの技です。ピラミッド界のスライムに私は敗北しました。
そうです。私は「どんくさい」のです。
どんくさい者に対して組体操をやらせてはいけない。わかりましたね?
ちなみにこういう状況下では脳の回転数が上がり、スローモーションに見えるとよく言いますが、私にはそれは発現しませんでした。なのでただ痛いだけです。ちくしょう。
しかも本番で骨折したわけじゃないからすごく地味。いやそもそも本番に運動場で落下した場合、地面が柔らかいから多分骨折れてないぞ?
ついてない。とことんついてない。
治療
すぐさま親が呼ばれ、緊急搬送される私。そんな中私は思いました。
「めっちゃ痛い。めっちゃ痛いけど、これでもう運動会をやる必要はなくなった…それだけは儲けもんだ!!」
どんくさい者は、その全員が運動会を嫌っているのです。わかりましたね?
病院ではギプスを装備させられ、私は学校に送り返されます。
「やれやれ…もうちょっとゆっくりして行ってもいいんだけど。まあ運動会は見学してるだけでいいだろうし、楽かな」
学校に戻ってみたら
学校に戻ると、女教師は耳を疑う発言をしました。
「組体操のナレーションやってよ」
え? ナレーションって何?
ナレーション担当の、あらかじめ骨折していた友人(!)が待っていました。友人の担当内容を分担してやれというのです。
疑うことを知らなかった私は、言われるがままです。
え? ちょっと待って。こっちは今日骨折れてるのに、なんでこんなナレーションをぶっつけ本番でやらされてんの?
こんなのブラック企業やん。
いや、ブラック企業でも骨折したらその日は休みじゃねーの? ブラック企業以下やわ…。
どうしてこうなった…。
それもこれも、組体操が存在するからだ。
組体操め…!! 許さんぞ!!
そもそも、組体操を考えだしたのは誰なんだ(調べても全然わかりません)。くそ、これが判明して、かつタイムマシンが手に入ったら、創始者をころ…説得しに行くところなのに。そして運動会の代わりにゲーム大会を推奨するように働きかけるというのに…!
まとめ
というわけで私は学校により加入していた「保険」によって治療費をいただくことができたのです。
黒字でした。
※ここに保険の広告を貼りたい
※(追記)「保険」が「保健」になってたので修正。恥ずかしいなあ…。