夜中に前へ

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美少女と入れ替わるたった1つの方法/『君の名は。』をようやく見た

脳移植に違いない──。

私はそう考えて劇場に挑みました。

あ、挨拶が遅れました。夜中たわしです。

『君の名は。』の感想の書き出しに「脳移植」を選んだ唯一の人間です。よろしくお願いします。

様々なところで絶賛を耳にしていたのですが、先週ようやく視聴するに至りました。私は行動が遅いのです。

事前情報でどうやら男女の精神が入れ替わるらしいと知っていた私は、その入れ替わりのメカニズムがどのように説明されるか、それを誰よりも求めていました。SF脳なのです。

脳移植説、破れる

一気に話を進めますが、後半に差し掛かって私は驚きました。ネタバレになるので詳細は伏せますが、脳移植は原理的に不可能な状況だと判明したのです。

なんてこった。夜な夜な秘密組織が脳を交換していたわけじゃなかったのか…! そんな、ハードSF的な展開になると信じていたのに…!

さらにはその後、入れ替わりのメカニズムについて触れられることはほぼなく、物語は終わりを迎えます。私の読解力が足りないのかもしれませんが、なにやら不思議な力で上手いこといってたようです。

ストーリーの演出は素晴らしく、ラストでは今までにないカタルシスも味わえました。そう、エンターテイメントとしては非常に満足できる内容でした。

しかし入れ替わりの仕組みはわからない。おそらくストーリー展開や演出を優先し、考えないことにしたのです。

作中ではこの入れ替わり以外の現象についてはいくらか納得感があっただけに、惜しい。

せめて、階段から一緒に転がり落ちるくらいのことはしてほしかった…!

脳移植じゃないとすれば

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※たまたま当ブログで作っていたタマシイの説明図

精神というか、タマシイ的な、脳以外のナニカが入れ替わっているのでは? と考える方もいるかもしれません。 ですが、それはありえないのです。なぜなら、2人の記憶、経験まで入れ替わっているのですから。

言うまでもなく記憶は脳に蓄えられます。そして作中では、入れ替わりにより三葉のバスケが上手くなっているような描写があり、つまりは身体能力の向上すら見られました。

このような、いわゆる「体が覚える」系の能力は小脳が深く関与していることで知られています。

あんまり脳について語っても仕方ないので結論的なことを言うと、脳がほぼ丸ごと入れ替わっていない限り、あのようななめらかな動きはできないに違いないのです。

タマシイ(?)に全記憶が宿ってるわけはないのですから。

2重人格説

脳移植でないとしても、お互いの脳に何らかの変化があったことには相違ありません。

何がどうなっているのかはともかく、脳の記憶に変化があり、人格が変化すればいいのです。

人格が変化…そうか、この世には2重人格という症状が存在します!

でもこの説で行くと、偶然にも同時に2重人格が発動し、さらにはお互いの記憶と人格が入れ替わるような変化が発動しなければなりません。

そのようなことがありえないことはもちろん、この入れ替わりによって起こった感動的なストーリーが、実質入れ替わっておらず幻覚だったという話にすらなってしまいます。

まずい。しかし私はこれ以上の案を持ち合わせていません。

私だけ…?

帰宅した私はもちろんネットで「君の名は。 脳移植」で検索してみました。

しかし…どうにも誰も、気にかけてすらいないようなのです。

なんだかおかしい。

もしや、あの劇場の中で脳移植のことを考えていたのは私だけ…?

この発想は異端なんでしょうか…?

なんで? なんで?

こんな話をすると出てくるのがこの言葉です。

「アニメなんかにマジになってどーすんの」

私の脳は。

とりあえず外伝っぽい小説買います。

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