こんばんは、夜中たわしです。
今回は『いただきストリートドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー30th ANNIVERSARY』の感想です。タイトル長いですねこれ。
本作はドラクエが31年目、FFが30年目ということで30周年記念として製作されたものです。対応機種はPS4とVita。
PS4で遊べるボードゲームが欲しかったのと、オンライン対戦対応というのに惹かれて購入しました。それに30周年記念なんで、さぞかし気合の入った出来栄えだと信じて。
いたスト自体が完成度の高いゲームなので、基本はよくできていて面白かったんですが、気になる部分が結構目につきました。
概要
いただきストリート(いたスト)はドラクエの堀井雄二氏がゲームデザインを務めた名作ボードゲームです。
その内容はサイコロを振ってマップを移動し、店を奪い合い、店に止まった人に強制的に買い物をさせ、さらにはインサイダー取引(いたストの世界では合法)を有効利用して大金をせしめるのが目的というもの。
ゲームシステム自体はいわゆる「いつものいたスト」なんで、基礎的なゲーム内容紹介は割愛します。
詳しく知りたい方は公式の解説をご覧ください。
良かった点
まずは良かった点から。
ゲームスピード最速で演出オフだとサクサク
ボードゲームにおいて特に重要な要素。そう、それはテンポの良さです。
今作はスピード設定を最速にし、各種演出をなしにすれば相当な速さでゲームが進みます。桃鉄のマッハと同等レベル。
特に1人用モードではコンピュータが爆速でターンを終えるので、非常に快適です。
惜しむらくは、マークを集めて銀行に戻った時のレベルアップ演出が飛ばせないのと、カジノのテンポが悪いことくらい(後述)。
銀行通過後、株の買い忘れなどで同じターンに再度通過した場合でもレベルアップしてしまうので、ここはスキップさせてほしかったです。
ギミックの楽しいマップ
ドラクエやFFのマップが登場し、しばしばマップにちなんだギミックが登場します。地形が変化したり、店を凍りつかせたり……。
特に30周年記念のマップ、竜王の城とルシス王国領は戦略性が高くて好きです。
竜王の城は、なんか竜王に大砲を打ち込めるようになっていて、会心の一撃を出すと竜王が気絶してお金を総取りできます。
ハイライト機能あり
戦いの内容を振り返り、ダイジェストとともにキャラクターがコメントするというハイライト機能があります。
この際のBGMは、例えばセフィロスなら片翼の天使というように優勝者にちなんだテーマ曲が流れます。これは結構いい。
ただ戦いの決め手となったポイントが流れるはずなんですが、なぜこのシーンが?? というのは結構にあります。株をあまり活用してなくても「これが株の力だ」的なことを言ったりも。
でもまあ見てて楽しいですね。
ただこれの保存件数がたった5件ってのは少ないと思います。
オンライン対戦に対応
何と言っても、オンラインで遠くの人と対戦できる!
……もはやあたりまえのような項目ですが、これが非常にありがたい。なかったら買ってません。
なおPS4とVita間でも対戦が可能です。
気になった点
次に気になった部分です。
キャラクターのラインナップが微妙
登場キャラクターは上記の通り(2017/11/16時点)。
なんだか人選がおかしな気がするのと、ボイスありで開発した副作用なのかドラクエの主人公キャラは誰もいない……。
キャラクターボイスが惜しい
上記キャラクター数に影響した(と思われる)ボイスの実装ですが、あまり活かせていると思えません。
ボイスを聞いている間ゲームのプレイが停止するため、ゲームテンポを悪くする要因になっています。最終的に設定からボイスをOFFにする方が多数でしょう。
せっかくボイスありなら、ゲームの流れは止めずに裏で勝手に喋っているようにしてもよかったのでは。
ちなみに人間が操作してるキャラは基本喋らないため、喋って欲しい好きなキャラがいる場合、自キャラではなく対戦相手(のCPU)に指定する必要があります。
面白いことも結構言うんですけどね。
ロードが長い
ステージ開始までに十数秒待たされる上、メイン画面からのモード選択時にも必ず3秒前後のロードが発生。見た目的にも簡素な景品交換所や設定変更の画面ですらなぜこんなに重いのか……。
カジノが冗長
いくつかのマップにはカジノのマスがあるんですが、ミニゲーム移行時のロードとミニゲーム自体も数十秒時間がかかるため、テンポが悪いです。
さらにミニゲームも4種類しかなく飽きが来やすいのと、報酬も大したことない(特にゲーム後半)のが面倒さに拍車をかけます。
デフォルトだとCPUがカジノで勝手に遊んでるのすら見なきゃいけないため、設定から演出をオフにするのはもはや必須。
ギブアップ不可
ギブアップという概念がありません。
例えば1人用モードだと、2~3ステージ連続で規定の順位以内に入らないとクリアにならないんですが、負けた場合もコンティニューを選べば途中のステージからやり直せます。
なので負けが見えた場合はさっさと終わらせてやり直したいんですが、それが許されません。
いっそ破産してやろうかと、CPUの店を大金(全財産)で買う交渉をしかけてみましたが、あまりの好条件を不審に思ったのかCPUは金銭の受取を拒否。なぜなんだ。じわじわ苦しめてやるってことか……!
一応中断セーブしておけばリセットでやり直せますが……それはそれで長いロードを挟むんで面倒。
ミュージアムが期待はずれ
公式サイトによると「歴代シリーズ作品の名場面が見られる!」とあったので、ドラクエやFFのムービーやプレイ動画が収録されているのかな? と結構期待してたんですが、一枚絵のゲーム画面に対しキャラ3人程度が少しコメントを言うだけでした。
合計48種類収録されていましたが、全部見ても30分とかかりません。
そういやちょっと別枠っぽい感じでFF15とドラクエ11についてはPVが収録されていました。宣伝ですね。
通常対戦以外のモードがない
過去作(PS2版)にはスフィアバトルという特殊な対戦モードがあったんですが、本作は通常の対戦モードのみです。
同じモードを入れろとは言いませんが、何らかの要素は欲しかったですね。せっかく30周年なのに。
もしやそれがオンライン対応とボイス追加なのか……。
オンライン対戦で気になった部分
ここからはオンライン対戦での不満点です。これが一番痛い。
だれでもOKの対戦とフレンド間の対戦があるんですが、特にだれでもの方はなかなか厳しいものがあります。
プレイ時間長くなりすぎ
全体的にもっさりしていて相当時間がかかります。1番シンプルなマップでさえ1時間前後かかりますし、大きなマップだと2~3時間かかることも。これは長い!
大体の人は1人用で鍛えてからオンライン対戦に挑むでしょうし、1人用をゲームスピード最速でプレイすれば、シンプルなマップなら15分くらいで終わります。おかげでとんでもなく遅く感じます。
対人戦は魅力的ですが、3~4倍も時間がかかるのはちょっとどうかと。
この理由はいくつかあります。
- ゲームスピード変更・演出カット不可(フレンド対戦なら可)
- 参加者の回線状況が悪いと、事あるごとに待たされる
- 特定のコマンド選択時(店交換の交渉など)、キー操作のレスポンスが悪い
- 誰かが切断すると数十秒~数分固まる
- 1手の待ち時間が最大600秒
フレンドと対戦するならゲームスピードは最速にできますし、悪意ある放置や切断もほぼないので段違いに快適にはなります。
でも個人的には知らない誰かと気楽に好きな時間に遊びたいんだよなあ。
テンポを悪くしている要素を改善するのと、速度選択を可能にすれば(高速部屋と低速部屋を作るなど)かなり良くなるはず。
しかし待ち時間600秒ってなんなんだ。そんなに悩むわけないし、放置された日にはたまったもんじゃない(実際された)。せめて無操作の場合、60秒くらいでCPUに置き換わってほしいです。
ギブアップ不可
オフラインでギブアップ不可のため、もちろんオンラインでもギブアップ不可です。
このゲームは大差をつけられると逆転が非常に難しくなるので、投了したくなることもしばしばあることでしょう。
となると選択肢は、こうなります。
①負けを覚悟の上で最後までプレイ
②CPUに置き換えて放置
③誰かにお金を押し付けて(超高額で人の店を買う)無理やり破産
④回線切断/ゲーム機の電源OFF
どれも辛い。
①②は負け確定なのにプレイ終了まで拘束、あるいはゲームプレイ不可の状態になるし、③はマナー違反もいいとこ。
ちなみに④は何らかの対策がなされているらしく、あまり繰り返すと切断常習者ばかりでマッチングするようになると予想。
とにかく辛い。
CPUへの切り替え、自分のターンまで不可
1回のプレイ時間が長いゲームなんで、突然の来客やら尿意やら、一時的にCPUに切り替えたいタイミングはつきものです。ですがこのCPUへの変更操作が自分のターン開始時でないとできません。
そのままゲームを離れると、無操作状態で放置することに……。
え? まさかそのための待ち時間600秒!?
だれでも対戦のマッチング方式が微妙
だれでも対戦のマッチング方式は1種類。好きなコースと、キャラクターを選ぶだけです。
すると同一キャラクターが被らないようマッチングされ、コースが抽選されます。
メンバーが選んだコースが採用された場合、それが気に入らないコースでも遊ぶしかありません。結構お粗末なシステムに思います。まあ人が選んでるコースはわかるんで、抽選前に抜けちゃえばいいんですが。
「遊んでもいいコース」を事前に複数選べるようにしてその範囲内でマッチングするか、あるいは部屋を作ってそこに入る仕組みのほうがありがたいですね。
難度が高いトロフィー(とその対策)
トロフィーの中で最難関のものに「ネット対戦優勝回数が累計30回以上」というものがあります。
まあ難度が高いと言ってもひたすら時間がかかるだけですが。
しかしちょっと、回数多くありません? おそらくまともにやると100時間コース。
と思ってトロフィーのまとめwikiを見に行ってみると、PS4とVitaで自分同士でフレンド対戦し、八百長試合で一方を勝たせるという作戦が!
この際同じアカウントだと対戦できないので、どちらかに別アカウントを作成して体験版を入れる方式を取ります(本作はなんと体験版と製品版で対戦が可能。もちろん体験版の1マップしか遊べない)。
……そこまでしますか。
ちなみに「ネット対戦終了回数が累計50回以上」というトロフィーもありますが、これは切断対策なのかも。効果のほどはわかりません。
戦績がオンラインとオフラインで共通
戦績がオンラインとオフラインで混ざってて微妙です。
オンライン対戦でどの程度勝ってるか知りたい、他人と共有したい、というニーズは多いと思うんですが。トロフィーにもオンライン対戦関係のがあるのに……。
全体評価
なんだかめちゃくちゃ長くなりましたが、本作がおすすめできるのは次のような方。
- 1人でCPUとサクサク戦いたい
- ローカルで集まって遊ぶのがメイン
- フレンドとオンライン対戦するのがメイン
逆におすすめできないのは次のような方です。
- DQ・FFのキャラクター目当て
- だれでもOKのオンライン対戦目当て
- トロフィー目当て
こんな感じでしょう。
おわりに
色々書きましたが、ゲームシステムとドラクエやFFキャラ・マップと言った素材は非常にいいですし、集まってワイワイ遊ぶ分にはまったく問題なし。よく出来てます。
あとはバージョンアップ等でオンライン対戦周りが改善されれば、化けるんですが。
ダウンロードコンテンツ(マップやキャラクター)の無料配布が定期的にあるのはありがたいんで、システム周りにもアップデートがあるのを期待してます。
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