こんばんは。夜中たわしです。
先日PS4のニーアオートマタ(NieR:Automata)をクリアしましたのでその感想です。
ネタバレは極力抑えていますが、気になる方は読まないほうがいいかも。
概要
ニーアオートマタはアクションRPGです。
というかジャンル初めて確認したんですが、「アクションRPG」だったんですね……半分くらいはシューティングだった気がするんですが。
うーん、あえて自分なりに言うなら「オープンワールド版 奇々怪界(SF編)」って感じですかね。
ああ、この言い方は結構しっくり来ますよ。
えっ、奇々怪界って何だ? そういう名前の、自機が地面を歩き回るタイプの名作シューティングゲームがあるんです……。
話を戻しまして、ニーアレプリカント/ニーアゲシュタルトという、前作に当たる作品がありますが、こちらは別段プレイしていなくても大丈夫です。
私はニーアレプリカントをプレイ済みなんですが、6年ほど前の作品ということもありほぼ記憶はありませんでした。ラストのアレくらいしか覚えていません。
今はブログを持っているので、忘れないように記録として残しておきます。
世界観
公式から引用しますが、こんなストーリーです。
突如侵略してきた異星人。
そして、彼らが繰り出す兵器「機械生命体」。
圧倒的戦力の前に、人類は地上を終われ月へと逃げ延びていた。
地球を奪還するために人類側はアンドロイド兵士による抵抗軍を組織。
さらに膠着した戦況を打破する為、新型アンドロイドである戦闘用歩兵「ヨルハ」舞台 を投入する。
人のいない不毛の地で繰り広げられる機会兵器とアンドロイドの熾烈な闘い。
やがてそれは知られざる真実の扉を開けてしまう事となる……
廃墟と化した地球でロボット同士が戦う……めちゃめちゃ終末系のSFです。
もう、最高。
最高に好みのシチュエーションですよ……!!
ちなみにストーリーは結構鬱々としています。
しかしこんな世界観のゲームって他にやったことあったかな?
……ロックマン?
うーん、ロックマンDASHが近い気がしますね。廃墟感はあまりないですが。
ロックマンDASHも名作だなあ。
そしてDASH3はもう出ないのかなあ。もう……。
システム
基本は間口の広いアクションRPG
プラチナゲームズが開発に携わっているということでベヨネッタを彷彿とさせます。
ですがガチガチのアクションではなく「アクションRPG」なのでレベル上げや武器の強化で難易度は大きく下がる他、難易度も4段階あって常時切り替え可能です。
難易度変更によるペナルティも特にありません。
イージーモードにすれば非常に簡単。オートモードを使えば敵を勝手に倒してくれます。アクションゲームが苦手でもプレイに支障はほとんどないでしょう。
私は原則ノーマルでプレイしましたが、特に敵が強すぎてハマるようなことはありませんでした。無闇に強い敵に挑んだ場合を除いて。
シューティング要素
本作の戦闘を特徴づけるのがポッドというユニットです。
ポッドからは弾を無限に撃つことができるため、逃げ回りながら銃撃しているだけでも大概の敵は倒せます。
やっぱり3D版の奇々怪界ですよね。
いや近接戦闘も非常によくできていて、適当に操作しても結構かっこよく戦ってくれるんですが、危険そうな敵と戦う時はどうしても遠距離攻撃に頼っちゃいますね。
一応遠距離攻撃の効きにくい敵などもいて多少メリハリはあるんですが、もう少し近接戦闘に比重を置いても良かったかと思います。
もっとシューティング要素
通常戦闘もシューティング風味なんですが、他にも事あるごとにシューティングが登場します。
さらに縦シュー、横シュー、全方位シューと、目まぐるしくアングルや操作感が変わるのも特徴です。
けどシューティングはあまり評判がよくないみたいですね。
確かにアクションを求めている方にとっては余計な要素に感じるかもしれません。ちょっとシューティングの頻度が高いのも不満の1つかと。
さらにシューティング要素
操作キャラの1人に「9S」というアンドロイドがいるんですが、このキャラの操作時には敵機械生命体にハッキングを仕掛けることができます。
すると、なんかレトロゲームチックなシューティングが始まります。ここではBGMもファミコン音源っぽいものに変化します。この音源結構好き。
このシューティングをクリアすると、敵に大ダメージを与えることができます。敵が強いほど難しい傾向にあり、失敗すると逆にダメージをくらいます。
そうか……ハッキングって実際にやったことないけど、こんな感じなのね(絶対違う)。 こんな風に通常戦闘中に何か別のゲームが始まるやつは他に知らないですね……。斬新で、よくできてます。
ただハッキングばっかりやっているとシューティングに飽きてくる、という問題はあります。ステージのパターンが限られているので、何度も同じステージをプレイすることになります。
そういう場合は、難易度をイージーにしてオートモードにすれば滅茶苦茶楽になるのでお試しください(ハッキングでもオートモードが使えるのはクリア後に知りました……)。
もしくは普通に武器で殴りましょう。9Sは近接戦闘が苦手ですが、レベルを上げればゴリ押しできます。
と、ここまでシューティングを押してくるということは、シューティングの面白さに気づいてほしい、ってことなんでしょう。
なら欲を言うともう少し肉付けが欲しかったです。演出はいいんですが、アイテムなども登場しないためちょっとシンプルすぎると感じました。
ゲームシステムと世界観・演出の見事な調和
タイトルにも含めましたが、ここからが感想として一番語りたいところです。
転送システム
オープンワールドということで長距離間の移動のストレス軽減のため、特定地点間を瞬時に移動可能とする転送システムがあります。
RPGなどのゲームにおいて転送、ワープといえば、ドラクエでのルーラのように何か魔法的なやつで瞬間移動する、原理がよくわからないタイプが多数を占めます(ドラクエは空を飛んでるみたいなのでまだ説得力はありますね。頭をぶつけたりするし。一方ポケモンの「あなぬけのヒモ」なんかはさっぱり理屈がわかりません)。
その点本作での転送の仕組みは、物質を転送するわけでなく記憶データを転送し、体は転送先のものを利用する方式を取っています。
アンドロイドであることを最大限活かしたやり方です。
転送時のロード画面もこんな感じで、プレイヤーがアンドロイドの視点であることを強調してきます。
このあたり些細な部分ですが、SF的でいいなー。
え? アンドロイド本体はともかく、武器やアイテムはどうやって転送されているのか?
……。
それはわかりませんっ……!
不思議ですねえ。
リトライのシステム
戦闘で敵に負けるなどして死亡した場合、直ちにゲームオーバーにならず、救済措置がある場合があります。
それは前回敗退した地点まで行って、前回やられた義体(アンドロイドの体)を回収すれば、前回セーブして以降の経験値とプラグイン・チップ(後述しますが、アクセサリのようなもの)を回収できるというもの。
新たな義体は前回セーブ時点のバックアップ記憶により動作している、という仕組みです。
ダークソウルみたいなシステムですが、やはり説得力があります。
なお、回収前に再度死亡すると、前々回の義体は回収できなくなります。
なぜ前々回の義体は消滅するのか……はい。それはわからないです。
プラグイン・チップ
本作の特徴の1つにプラグイン・チップという要素があります。
プラグイン・チップは、道具屋での購入や敵からドロップなどで入手できるもので、装着することで義体の性能を強化できる、というものです。
チップは複数装着することができますが、それぞれにコストが定められており、装着できる上限があります。
またチップには同性能でもコストに個体差があることに加え、チップ同士を合成して上位のチップを生成できる、という要素もあるためどのような組み合わせにするか考えがいがあり、カスタマイズするだけでも単純に楽しいです。
さてこのチップ、攻撃力増加や、走行速度増加、といった他のゲームにもありそうなものが主ですが「システム」というカテゴリに一風変わったチップがあります。
HP表示や、ダメージ表示、マップ表示にテキスト表示など、スタンダードなゲームをやっている感覚だと「見えてて当たり前」という要素がチップとして存在しています。
これらのチップはデフォルトとして装着されていますが、取り外せば画面上にパラメータ的な表示を全て取り払うことが可能です。
要はこれらの表示はアンドロイドの機能のひとつである、とすることで没入感を一段高いレベルに押し上げています。
確かにそうですよ。たとえばモンスターハンターなど、画面上にマップが表示されているゲームはよく見かけます。ですがなぜマップがそんなとこに見えているのか、説明されるゲームは皆無でした。
そもそも現実で「え? みんなは右下らへんに地図見えていないの?」なんて言ってくる人はいませんし。
本作はそこに強烈な説得力と他のゲームへの問題提起(?)を与えてくれます。
でもそれを言い出すとなぜいっその事FPS形式(主人公の一人称視点の画面形式)にしなかったのか、という疑問が浮かびます。
まあこれは操作のしやすさ的な考えと、ビジュアル的に2Bの尻が見えている方が好ましい、という狙いから無視しちゃったんだと思います。
初めの操作キャラ「2B」はその"尻"が各所で異常に評価されています。私の嫁はそれを見て「揉みしだきたい……」と呟いていました。どう反応すればいいのでしょうか。もしかすると嫁は「おっさん」なのかもしれません。
そういやチップの1つに「外すと死亡する」というチップがあるんですが、これはただの悪ふざけだと思います。
視覚への影響
これも上記の話題の延長ですが、敵から特定の攻撃を受けたり、調子が悪くなったりすると画面表示にも異常が発生します。バグってる感じです。
これ関連の演出がもう、いい感じなんですよ。没入感というか、感情移入をより強めてくれます。
何度も書いてきましたが、こうゲームシステム部分にまで介入してくる感じ大好き。
BGM
本作、BGMのクオリティが半端なく高いです。
そもそもがいい音楽だというのもあるんですが、同じ場所でも状況によってBGMがシームレスに変わります。ボイス有りだったり、なしだったり、ファミコン音源的なやつだったり。
これは大音量でゲームを遊んで貰いたい部分です。
どこまで再現されてるのかよくわかりませんが、とりあえずサントラは買います。
終盤の演出
ネタバレを抑えて書くのでかなりぼかして書きますが、終盤のあの演出。
凄まじい疾走感、そして収束。途中からある種の予感を感じつつも、いざ選択を余儀なくされた時の高揚感、無力感。
それまでにもいいなと思う演出はいくつもありましたが、やはり終盤の流れ、演出が本作中では最高でしょう。
そしていわゆる真エンディングのアレ。
唐突で「?」が大量に浮かびましたが、不思議と満足度は高かったです。
エピローグ的にも考察が捗りそうで、好みの終わり方でした。
プレイ時間
トロフィーをコンプリートするまでプレイして、約60時間でした。
本作は邪道なトロフィー獲得方法が用意されているんですが、それは使用していません。
トロフィーの獲得だけが目的ならかなり楽な部類です。
気になった点
もうだいぶ疲れちゃったんですが、不満点もあったので簡単に書きます。
クエストで行ったり来たり
本作にはクエストという要素があるんですが、これの多くが同じような場所を行ったり来たり……転送システムはありますが、結構ロードに時間かかるんですよね。
見えない壁
行けそうに見えるのに見えない壁があって行けない。そんなことが結構あります。
ちょうど今、ニンテンドースイッチのゼルダを遊んでるんですが、プレイする順番が逆だったら結構ストレスだったかも……。
ゼルダのどこでも行ける感は凄すぎ。
スキップできない会話
ムービーは原則スキップできるんですが、通常操作中にキャラ同士などが会話していると、人に話しかけるなどの行動が制限されます。
繰り返しプレイしている際、早く転送して目的地に行きたいのに会話が終わるまで待たないといけない……なんてことが度々ありました。こういう時は諦めてきれいな景色でも見ます。
と、パッと思いつくのはこのくらいですが、そんなものが問題にならないほどの魅力が本作にはありました!
でないとこんなに長文の感想は書きませんもの!
プレイ前に知っておきたかったこと
おまけとしてプレイ前に知ってたらよかったなー、と思ったことを箇条書きにしておきます。
クリアするとチャプターセレクトが可能になるため、クエストのやり漏らし、アイテムの取り逃しを気にする必要はない
ただクエストが中途半端な状態でストーリーをどんどん進めると、やり直しの時に1からになる
オートセーブは、前回セーブしたスロットへの上書きになる(オートセーブ用のエリアがあるわけではない)
全方位シューティングでは、右スティックで射撃方向を変更可能
空中で×ボタン押しっぱなしでポッドにぶら下がれる
開けられない宝箱は、9Sが使えるようになるまで開けられない。アイテムを本格的に探すのは、マップ上にアイテムが表示されるチップ(アイテムスキャン)を購入してからで良い
おわりに
演出とゲームシステムが噛み合わさるのがこんなに気持ちいいとは。私の好みによる補正が大きい気もしますが、ツボでした。
ストーリーはロボット同士の戦いなのに、「人間」とは何なのかについて痛いほど考えされられました。そういや異星人って何だったんだろ。わからん。
SF好きや廃墟好き、ダークファンタジー好きなら間違いない一作です。
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