こんばんは。夜中たわしです。
2月17日、『ヘディング工場』という変わったゲームが配信開始されました。
(引用元:ヘディング工場 / Headbutt Factory | Gemdrops, Inc.)
今回はその感想です。ネタバレはほぼありません。
このゲーム、コントローラをまったく使用しません。
PSVRの持ち味を最大限に活かし、頭を振り乱す動作だけで操作します。
それを知った時点で私は思いました。
「マジで普通じゃねえゲームが出やがった」と。
そういう挑戦をしているゲームを見つけた時、私は基本的に買います。
ちなみに先月時点で念願だったPSVRを入手していたんですが、開封したのは昨日です。手に入れた時点で燃え尽きてしまい、開けるのがめちゃ面倒でした。
よろしくお願いします。
ゲーム概要
「言葉はない。頭をつかえ。」のキャッチフレーズ通り「言葉」が登場しません。文字を見かけるのはゲーム開始時とスタッフロールくらいです。
言葉が登場しないため何の説明もなく、ゲームが始まると頭に砲台を搭載したキャラが、こちらに向かってボールを延々飛ばしてきます(一応デモンストレーションのようなものはあります)。
後から紹介ムービーなどを見てると「砲台くん」という名前らしいですね。
私は勝手に「鬼コーチ」って呼んでました。
その砲台くんの打ち出すボールをヘディングで所定の場所にぶつけることで、ステージを進んでいきます。それがすべてです。
本当のヘディングのように思いっきり頭を振り回す必要はなく、軽めの動きでも爆速でボールが飛んでいきます。たぶん主人公の頭の反発係数がものすごいのだと思います。なので座ったままでも問題なくプレイできました。
ステージを進んでいくにあたり謎解き要素もあるので、キャッチフレーズの「頭をつかえ。」はヘディングに加えて頭脳も使え、という2重の意味が込められているのでしょう。
ちなみにゲーム開始前の注意書きはこれです。
私はこの注意をしっかり守らなかったため冷蔵庫に頭をぶつけました。冷蔵庫には悪いことをしました。反省です。
興味があれば遊び方のムービーがあるのでご覧ください。
世界観
宮殿が逆さになったような建物が空に浮いています。下を見ても空がずっと続いています。落ちたらどうなるんだろう。
古いたとえですが、バハムートラグーンのような世界なんでしょうか。
住民たちがいますが、みんな武器を模した背格好をしています。
これも古いたとえですが、スーパーマリオRPGを思いだしました。
この方々はトロフィーの説明によると「ミンナ」と呼ぶらしいです。
主人公(自分)はトロッコのようなものに乗っており、自動で移動します。めっちゃ楽。
遊園地などのテーマパークのライドアトラクションといった感じです。
あまりにも壊れやすい住人と建造物
扉あるいは的のようなものにボールをぶつけて進む、というのがゲームの流れなんですが、ボールが住人や一部の建造物にぶつかると激しく壊れます。速度が遅めの玉でも触るとアウトのようです。
申し訳ない気持ちもありますが、建造物や住人が連鎖的にボッコンボッコン壊れていくのは非常に気持ちよく、間違いなく「あそこにぶつけたら一気に壊せそうだな。やってやろ」という考えが湧き上がります。
そもそもトロフィーの取得条件に「住人や建造物を○○個壊せ」というのがあるため、開発側も推奨しているようです。
特にペナルティもないですし、明らかにボールが飛んで来るのを待ち構えている住人や、勝手に身投げしていく住人までいます。この世界の命は相当軽いのかもしれません。
ちなみに砲台くんは防御力が高いようでボールをぶつけてもびくともしませんが、4回ぶつけると、さすがに怒ったのか顔面にボールをすごい勢いで飛ばしてきます。思わず目をつむってしまうほど。
お前、その威力があれば1人で進んでいけるだろう。
ストーリー
こんな謎すぎる世界観なんですが、一応ストーリー的なものはあります。
ラストには驚かされる展開があり、この世界が何なのか、そして主人公が一体何者なのか……の、片鱗が少し分かります。
しかし少ししか分かりません。というのも、何だか凄いことが起こっているのは間違いないんですが、言語での説明がないため、呆然とします。誰か考察してください。
プレイ時間
プレイ時間は私の場合クリアまで2時間半程度、トロフィーのコンプリートまでだと4時間半程度でした。ヘディングの技術によりプレイ時間は前後すると思います。
ちなみにプラチナトロフィーはありません。定価は2200円(税抜き)なんで仕方ないですね。
良かったところ
ここからは感想です。まずは良かったところから。
世界観
独特の世界観で、トロッコに揺られながら景色を見回しているだけでも楽しいです。VRの没入感って半端ないですね。
エンディング
上記でも触れましたがエンディングの展開は中々好みのものでした。
ちょっと違うかもしれませんが、湧き上がってきた感覚はICOやワンダと巨像のラストで味わったものと似ていました。(トリコはまだ遊べていません。やらないと。)
「頭をつかえ」
「頭だけ使う」というコンセプトで本気で作り上げた部分は賞賛したいです。
今後このようなタイプのゲームは出ないのでは?
気になったところ
ここからは気になった部分についてです。
謎解きが簡単
私は謎解きが大好きなんですが、謎解き要素的にはかなり簡単な部類で、少し物足りなかったです。
どちらかと言えばアクションよりの作りですね。
後半で急いで敵をガンガン倒さなければならないパートや、早くパズルを解いて道を作らないといけないような展開があり、そちらを重視しているのかな、と思いました。
でもよく考えると謎解きがあまりに難しすぎると、首の振り過ぎで頭がぶっ壊れるので、この程度でよかったとおもいます。
ボールが狙ったところに飛ばずイライラ
上記に関連しますが、「謎は解けているけど、狙った場所にぶつけられなくて進めない」ということが起こります。特に時間制限のあるやつはきつい。
まあこれがゲーム性のすべてなので、文句を言うべき部分ではないのかもしれませんが。
でも運動神経ゼロ、ほぼサッカーをやったことのない私でもクリアできたので、難易度的にはちょうどいい感じなのかもしれません。
あと正面方向にボールを飛ばすのは比較的簡単なんですが、何ヶ所か横に向かって飛ばす必要もあって、そこが特に難しかったです。
ボールは目線の方向に飛ぶんで、ボールが迫ってきたタイミングですぐさま横を向いて頭を振る必要があります。
ここであんまり張り切ると、首をやっちゃうと思います。気を付けましょう。
ステージの移動が遅い
ステージ間の移動が多いんですが、これがかなりゆっくりです。
人によっては、「早く移動しろよ! スキップとかないのか!」と思うかも。
しかし後半になって私は気づきました。
「あ、この時間は、首を休める時間なのか」と。
ヘディングのフェーズがずっと続くと、きっと私はパンチドランカーになっていたことでしょう。
あとはゲーム酔いを防ぐ目的もありそうです。
景色は非常にいいので、移動中は周囲を見渡してみましょう。仰向けに寝転んでみると、トラックの荷台に乗って空を見上げているような感覚で気持ちいいです。
たぶんそうやって、まったり遊ぶのが正しいんだと思います!
セーブがわかりにくい
ゲーム中に一切文字が表示されないため、いつセーブしているのかがわかりません。
そのためツイッターを検索していると、いつやめていいのかわからずヘディング工場の世界から返ってこれなくなっている人々がいました。
結論を言うとオートセーブなので、いつやめても問題ありません。
公式でもアナウンスしています。
【お知らせ】ヘディング工場の止め時が見つからない!いつ電源を切ったら良いのか!?という皆様へ。このゲームは自動セーブ、自動ロードです。ちょっと休憩したいタイミングなどは普通にゲームを終了させて下さい。次回起動時にステージの節目から自動で再開できます。 #HBF_VR #PSVR
— ヘディング工場・公式 (HBF_VR) (@HBFactory_JP) 2017年2月18日
その点、クリアまでやめる気がまったくなかった私には何の問題もありませんでした。
※ゲームプレイ時(特にVR)は、適度に休憩を取りましょう
総評
感覚としては、テーマパークの体感アトラクションをプレイしている感じに非常に近いです。
そういった体感系のゲームが好きで、世界観を楽しみながらまったりプレイしたい人にはおすすめです。
逆にどんどん先へ進んでクリアしたい人は、イライラが大きいかもしれません。
まあ2時間程度でクリアなので、そこまで気にしないでいいと思いますが。
攻略メモ
ここからはトロフィーをコンプリートするためのメモです。
ストーリーのネタバレはありませんが、やむを得ずトロフィー関係の要素については触れているのでご了承ください。
普通にトロフィーの一覧を見ながら進めていけば、クリアするだけで1つを除けば獲得は容易です。
そして最後のトロフィーですが、獲得条件は真エンディングを見ることです。
ヘディング工場は、いわゆる1周目はバッドエンドになり、2週目のクリアでトゥルーエンドになる感じです。ただしこの際、2周目を全部やり直す必要はありません。
真エンディングを見る条件は、「輝くミンナ」をすべて見つけることです。
ゲーム中にこんなやつを見かけることがあると思います。
こいつ、1ステージごとに1体、計10体いるようです。見つけるとなぜか光の中に消えていきます(上記画像は消えていく最中です)。
「1ステージ」というのは、移動中に画面全体が白くなって別の場所に移動するような切れ目があるんですが、その単位です。
なので初回プレイ時にこいつをできるだけ見つけておけば、真エンディングに到達するのが楽です。移動中は周囲を見渡しておきましょう。
で、輝くミンナを見逃していた場合ですが、クリア後には見逃していたステージのみをプレイするモードがあります。1度クリアすれば、ゲーム開始時に右側に扉が現れるのですぐわかるはず。
右側の扉を選び続けて輝くミンナをすべて見つければ、真エンディングに到達します。
ちなみにこの輝くミンナ、出現場所はランダムっぽいです。一度取り逃した後同じステージをやり直したら、全然別の場所にいました。
おわりに
ゲーム性はそこまでではないものの、雰囲気ゲーとして楽しめました。VRの没入感すごい。
操作があまりにも簡単なので、VR初心者におすすめかと思います。なんせ頭を振る以外ないので。
エンディングは衝撃的な展開で(正直世界観がいまだに理解できていませんが)、謎のカタルシスを得ることもできました。
と、私がこんな長文の感想を書いてしまう程度には面白かったです。最初はさくっと1000文字程度で書こうかと思ってたんですが。
文句を言いつつも、なんだかんだ言ってこのゲームにハマっていたようです。
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