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時間操作で殺人を防ぐミステリーパズルADV『The Sexy Brutale』感想(PS4/Steam)

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こんばんは。夜中たわしです。

本日は『The Sexy Brutale(セクシーブルテイル)』というゲームの紹介と感想です。

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PS4とSteamで配信されており、私はPS4版をプレイしました。海外発の作品です。

PS4版の公式サイトはこちら。

タイトルに「セクシー」が入っていることから、何らかのセクシーなことが起きるのか? と思えばそんなことは全然なく、殺人事件がひたすら繰り返し起きます。

時間がループする中で殺人を防ぐ、というのは『七回死んだ男』というミステリ小説が思い浮かびます。これは名作。SFとミステリの混ざったやつ、大好き。


加えて、同じ時間を繰り返すゲームと言えば、有名どころだと『ゼルダの伝説ムジュラの仮面』がありますね。

『The Sexy Brutale』は、この2つを合わせたような作品だと思っていただいてそんなに間違いはないです。ゼルダみたいな戦闘はありませんが。

世界観

なにやら仮面舞踏会で殺人事件が起きまくる話なんですが、

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ゲームを開始するとほどなくして、ガイド役となる血まみれの女の人(正体不明)から「どうしても使用人がゲストを皆殺しにしてしまう」という狂気の設定について解説を受けます。

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登場人物は全員が仮面をつけており、それに操られていると言います。

まったく何がどうなっているのか理解に苦しみますが、喋らないタイプの主人公のため特に質問することもなく、言われるがままです。

もちろん主人公の正体もよくわかりません。

プロモーションビデオはこちらです。

ゲームシステム

主人公は懐中時計を与えられることで、時間を巻き戻す能力を手に入れます。

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この能力を用いて殺人を未然に防いでいくわけですが、そう簡単には行きません。

なんせ、他人との接触ができないのです。

もし誰かのいる室内に入ってしまうと、

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なぜか部屋のムードが変わり、時間が停止(普段はリアルタイムで時間が進んでいます)。

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人々の仮面が外れて、主人公を襲ってきます。

仮面に攻撃されすぎると、体力が尽きてゲームオーバーに。

これを回避しつつ情報収集するためには、隣の部屋からドアの鍵穴を覗くなり、クローゼットに隠れるなりして盗み聞きする必要があります。

時間が停止して仮面が襲ってくる……一体何が起こっているのか疑問が尽きませんが「そういうものか」と受け入れるしか道はありません。少なくとも今は。

おかげで「君ら、殺されるで」と言って注意を促すことはおろか、犯人を事前に締め上げておくなどといったことが不可能なため、間接的に事件を防ぐ必要があります。

被害者をつけ回して死因を突き止める

何をどうすれば殺人が防げるか? を試行錯誤する部分がパズル的でなかなか面白いです。

基本的に殺害状況や経緯が分からない状態で放り出されるので、館内をウロウロして被害者を見つけたなら時間を巻き戻してストーキングするのがセオリーになってきます。

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それを補助するためかマップには出会った人の位置が表示され、さらに時間を変更すれば移動ルートまでわかるようになっています。

これを駆使して人を付け回し、

「あー、こうやって殺されるのか。ならこうすれば助けられるな」

となればいいんですが、そう一筋縄ではいかないものも結構あり……。

そもそも死因が奇想天外すぎて面食らうことも。化け蜘蛛(人間より大きい)に殺される人とか、未知の呪術のようなものが原因で殺される人もいるし。……そういやオカルト要素があるってどこかに書いてあったっけ。

よくわかんないですけど狂気の世界です。

そうは言っても殺人を食い止めた際の、難解なパズルを解いたかのような爽快感は素晴らしい。

疑問点がどんどん増えるが……

本作ではプレイすればするほどに疑問点が増えます。

特にゲームシステムと関連する部分。

  • 主人公は他人に見えない
  • 他人と同じ部屋に入ると、仮面が襲ってくる
  • 時間を戻すと取得前に戻るアイテムと、所持したままになるアイテムがある
  • 殺人から人を助けると、その相手の仮面の能力(カギ開けや地獄耳など)が手に入る
  • ループの開始時刻での主人公の居場所が変更できる

などなど……一体この世界の仕組みはどうなってるんだ。化け蜘蛛もいるし。

進めれば進めるほど違和感が募る上、その説明も一向になされません。

どう考えてもゲームシステム上の都合で作られた設定だし、もう考えてもしょうがないんだろうな、と思ってある時点で諦めていました。

ところが、終盤に差し掛かったところで、これらについて突如ほとんど解決します。これは凄い。

終盤の展開は中々に驚きの連続で、「なぜこうなっているのか」とそのきっかけも明らかになります。ここで一気に私の中での株が上がりました。

疑問点が発散したまま訳のわからないままエンディングを迎えるタイプの作品かと思っていました。すみませんでした。

会話にクセがある

本作で一番気になった点として、本作の会話には非常にクセがあります。初めは翻訳精度の問題かな? と思ったんですが……。

例として以降に載せるのは、プレイ開始直後に遭遇する第一の殺人のシーンです。

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どうにも日本語に違和感がありますが、それ以前にそもそも会話のキャッチボールが微妙に成り立っていない気がします。これはおそらく、原文からしてそういうテイストなんでしょう。

このシーン以外にも、まるでお互いに独り言を話しているかのように見えることもしばしば。ただでさえ混沌とした世界観に、さらに拍車がかかります。

まあみんな仮面でコントロールされているみたいだし。しょうがないか。

ちなみに翻訳に関しては、PS4版のローカライズを担当した日本一ソフトウェアが再翻訳を行っており、かなり改善されたそうですが、それ以前のSteam版の日本語訳はそれはひどいものだそうです。

Steam版にもフィードバックを予定しているそうですが、Steam版を購入しようという方は事前に翻訳状況の確認をおすすめします。

プレイ時間

クリアまでのプレイ時間は7~8時間程度でした。

なおプラチナトロフィーを獲得するのはかなり楽でした。

物語を進めることで獲得不可になるトロフィーもないので、クリア直前のデータで館内をしらみつぶしに捜索することですべて獲得できます。良心的。

おわりに

会話の違和感が半端なく、疑問の残るパズル要素もいくつかありましたがラストがなかなか気持ちよかったので満足です。

ミステリー・パズル・アドベンチャー、それに時間操作というジャンルに興味を持たれるなら、ぜひどうぞ。

PS4版ストア

Steam版ストア



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